
Contents
はじめに
カスタムウォーターは、「決められたレシピを作ること」が目的ではありません。
本当に大切なのは、自分が淹れたいコーヒーの味に合わせて、水を設計するという考え方です。
同じコーヒー豆でも、水に含まれるミネラルの種類や量が変わるだけで、酸味・甘み・苦味・コク・香りの印象は驚くほど変化します。
だからこそ、世界大会に出場するバリスタや、多くのロースターが水にこだわっています。
とはいえ、最初から難しく考える必要はありません。
この記事では、初心者でも再現しやすい基本レシピを紹介しながら、「なぜその配合なのか」まで分かりやすく解説していきます。
まずは基本を覚え、その後に少しずつ自分好みの一杯へ調整していきましょう。

カスタムウォーター作りで大切な考え方
レシピに正解はない
「カスタムウォーターの正解のレシピを教えてください。」
これはよく聞かれる質問ですが、実は唯一の正解はありません。
なぜなら、
- 使用するコーヒー豆
- 焙煎度
- 抽出方法
- 好みの味
これらによって最適なミネラルバランスが変わるからです。
例えば、
- 浅煎りなら酸味や香りを伸ばしたい
- 深煎りなら苦味やコクを引き出したい
- エスプレッソなら濃厚な質感が欲しい
- ハンドドリップなら透明感を重視したい
このように目的によって理想の水は変わります。
そのため、インターネットで見つけたレシピをそのまま真似するよりも、「なぜこの配合なのか」を理解することが大切です。
味を設計するという考え方
カスタムウォーターは、料理でいう「調味料」のような存在です。
塩や砂糖を少し変えるだけで料理の味が変わるように、水のミネラルを少し調整するだけでもコーヒーの印象は大きく変化します。
例えば、
- マグネシウムを少し増やすと、香りや酸味が際立ちやすい
- カルシウムを増やすと、コクや厚みを感じやすい
- 炭酸水素塩を増やすと、酸味が穏やかになり、味全体がまとまりやすくなる
つまり、「どんな味にしたいか」を考え、そのために水を調整するのがカスタムウォーターです。
レシピを覚えることよりも、「味を設計する」という考え方を身につけることで、どんなコーヒー豆にも応用できるようになります。
第1弾では「炭酸水素塩」と表記しましたが、実際にレシピや水質分析では重炭酸イオン(HCO₃⁻)という表記が一般的です。
本記事では海外レシピとの互換性を考え、以降は重炭酸イオン(HCO₃⁻)で統一します。
まずは基本レシピから始めよう
とはいえ、最初から細かく調整する必要はありません。
まずは多くの人が飲みやすく感じる基本レシピを作り、そこから少しずつミネラルの量を変えながら、自分の好みを探していくのがおすすめです。
例えば、
- 「もう少し華やかにしたい」
- 「酸味を少し抑えたい」
- 「コクを強くしたい」
このようなイメージを持ちながら少しずつ調整していくと、水が味に与える影響を体感できます。
次の章では、初心者でも簡単に作れる基本のカスタムウォーターレシピを紹介します。
カスタムウォーター作りに必要なもの
カスタムウォーターは、一見すると難しそうに感じますが、必要なものはそれほど多くありません。
基本的には「水」「ミネラル」「計量器具」の3つを用意すれば始められます。
ベースとなる水(純水・RO水・蒸留水)
まず必要なのが、ミネラルがほとんど含まれていない水です。
水道水や市販のミネラルウォーターには、地域や商品によって異なるミネラルが含まれているため、思い通りの成分バランスを作ることができません。
そのため、カスタムウォーターでは次のような水が使われます。
| 水の種類 | 特徴 |
|---|---|
| 純水 | 不純物やミネラルをほとんど除去した水。扱いやすく初心者にもおすすめ。 |
| RO水 | 逆浸透膜(RO膜)でろ過した水。ミネラルをほぼ取り除いているため、世界大会でもよく使用される。 |
| 蒸留水 | 蒸発・凝縮によって精製された水。ミネラルをほとんど含まず、レシピの再現性が高い。 |
ポイント
ベースの水に余計なミネラルが含まれていないほど、狙った味を正確に再現できます。
ミネラル(エプソムソルト・塩化カルシウム・重炭酸塩)
次に、味を設計するためのミネラルを加えます。
基本となるのは次の3種類です。
| エプソムソルト(硫酸マグネシウム) | 塩化カルシウム | 重炭酸塩 |
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塩化カルシウム 500g |
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| 香り・酸味・甘みを引き出しやすくする | コクや厚み、口当たりを向上させる | 酸味を和らげ、味のバランスを整える |
この3つを組み合わせることで、自分好みの味に近づけていきます。
初心者は、まずマグネシウムと重炭酸塩の2種類から始めても十分に違いを楽しめます。
電子はかり・スポイト・保存ボトル
ミネラルはごく少量で味が変化するため、正確に計量することが重要です。
用意しておくと便利なのが次の道具です。
| 道具 | 用途 |
|---|---|
| 電子はかり | ミネラルを0.1g単位、できれば0.01g単位で計量する |
| スポイト・シリンジ | 濃縮液を正確に量り取る |
| 保存ボトル | 濃縮液を衛生的に保存する |
特に濃縮液を作る方法では、毎回ミネラルを量る必要がなくなり、スポイトで数mL加えるだけなので、再現性が高く手軽です。
コーヒー屋からのワンポイント
最初から高価な実験器具を揃える必要はありません。
「純水(またはRO水)」「エプソムソルト」「電子はかり」の3つがあれば、カスタムウォーターの面白さを十分に体験できます。
慣れてきたら塩化カルシウムや重炭酸塩を加え、自分だけの味を少しずつ設計していくのがおすすめです。
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なぜ濃縮液を作るの?
カスタムウォーターを作る方法には、大きく分けて2つあります。
- 毎回ミネラルの粉末を直接量る方法
- あらかじめ濃縮液を作り、必要な量だけ加える方法
結論から言うと、初心者から上級者までおすすめなのは「濃縮液を作る方法」です。
その理由を見ていきましょう。
微量の粉末は正確に量れない
コーヒー用のカスタムウォーターでは、1Lあたり数十mg(0.0数g)のミネラルしか使用しないレシピも珍しくありません。
しかし、この量を毎回正確に量るのは非常に困難です。
例えば、
- はかりの誤差が出る
- 湿気で粉末が固まる
- 少し量が違うだけで味が変わる
といった問題が起こります。
0.01g単位の高精度な電子はかりを使っても、毎回同じ量を量るのは意外と難しいものです。
濃縮液なら誰でも再現できる
そこで使われるのが濃縮液です。
あらかじめミネラルを純水に溶かしておけば、あとはスポイトやシリンジで必要な量を加えるだけ。
例えば、
- 濃縮液を5mL入れる
- 濃縮液を10mL入れる
- 濃縮液を15mL入れる
というように、体積で管理できるため、誰でも簡単に同じレシピを再現できます。
また、「今日は少し華やかにしたい」「もう少しコクを出したい」といった微調整もしやすくなるのが大きなメリットです。
一度濃縮液を作れば、何度でも同じ条件でカスタムウォーターを作れるため、味の比較もしやすくなります。
海外のバリスタも採用する方法
実は、この濃縮液を使う方法は家庭だけのテクニックではありません。
世界のバリスタやロースター、コーヒー競技会でも広く採用されている方法です。
理由はシンプルで、再現性が非常に高いから。
コーヒーは、水のミネラルバランスが少し変わるだけでも味が変化します。
だからこそ、毎回同じ条件で抽出できるよう、濃縮液を使ってミネラル量を管理しているのです。
家庭でも同じ方法を取り入れることで、毎回安定した味を楽しめるだけでなく、自分好みのレシピを少しずつ育てていくことができます。
コーヒー屋からのワンポイント
カスタムウォーターを長く楽しみたいなら、最初に濃縮液を作っておくのがおすすめです。
毎回粉末を量る手間がなくなり、スポイトで数mL加えるだけで誰でも同じ味を再現できます。
「美味しかった一杯」を何度でも再現できることこそ、濃縮液を使う最大のメリットです。
カスタムウォーターを理解する基礎知識
カスタムウォーターを作る前に、知っておくと理解が深まる基礎知識を紹介します。
「ppmって何?」
「なぜ粉末の量が違うの?」
「硫酸イオンやナトリウムは気にしなくていいの?」
こうした疑問を先に解決しておくことで、この後のレシピや海外のカスタムウォーターも理解しやすくなります。
ppmとは?

カスタムウォーターでは、「35ppm」や「40ppm」という表記をよく目にします。
ppm(ピーピーエム)はParts Per Million(100万分の1)の略で、水では1ppm = 1mg/Lと考えて問題ありません。
つまり、
- Mg 35ppm = 水1Lにマグネシウムが35mg含まれている
- Ca 20ppm = 水1Lにカルシウムが20mg含まれている
- HCO₃⁻ 40ppm = 水1Lに重炭酸イオンが40mg含まれている
という意味です。
重要なのは、「何gの粉末を入れたか」ではなく、完成した1Lの水に目的のミネラルが何mg含まれているかです。
そのため、本記事では完成量を常に1L(1000mL)としてレシピを設計しています。
なぜ粉末の量が違うの?

「マグネシウムもカルシウムも同じ1ppmなのに、なぜ必要な粉末の量は違うの?」
そう疑問に思う方も多いでしょう。
理由は、使用する粉末が純粋なミネラルではないからです。
例えば、エプソムソルト(硫酸マグネシウム七水和物)は、マグネシウムだけでなく、硫酸イオンや水和水も含んでいます。
塩化カルシウム二水和物も、カルシウムだけでなく塩化物イオンや水和水を含んでいます。
つまり、同じ1gの粉末でも、実際に含まれるマグネシウムやカルシウムの量は異なります。
| 原料 | 目的の成分 | その他に含まれるもの |
|---|---|---|
| エプソムソルト(MgSO₄・7H₂O) | Mg | 硫酸イオン・水和水 |
| 塩化カルシウム二水和物(CaCl₂・2H₂O) | Ca | 塩化物イオン・水和水 |
| 炭酸水素ナトリウム(NaHCO₃) | HCO₃⁻ | ナトリウム |
そのため、本記事では粉末の重さではなく、Mg・Ca・HCO₃⁻が何ppm含まれているかを基準にレシピを作成しています。
硫酸イオンや塩化物イオンは気にしなくていいの?
エプソムソルトを使うと硫酸イオン(SO₄²⁻)、塩化カルシウムを使うと塩化物イオン(Cl⁻)、炭酸水素ナトリウムを使うとナトリウムイオン(Na⁺)も一緒に水へ溶け込みます。
これらのイオンも味にまったく影響しないわけではありません。
例えば、
- 硫酸イオンは苦味やドライな印象
- 塩化物イオンはまろやかさや甘み
- ナトリウムイオンは味を丸く感じさせる
といった働きがあるとされています。
しかし、コーヒー用カスタムウォーターで使用する濃度では、その影響はマグネシウム・カルシウム・重炭酸イオンほど大きくありません。
そのため、世界中のバリスタやロースターの多くは、コーヒーの味へ大きく影響するMg・Ca・HCO₃⁻の3つを中心にレシピを設計しています。
本記事でも、この考え方を採用しています。
Coffee Monster Standard(CMS)について

本記事では、レシピを分かりやすく再現しやすくするために、独自の基準としてCoffee Monster Standard(CMS)を採用しています。
CMSのルールはとてもシンプルです。
- 完成量は必ず1L(1000mL)
- Mg・Ca・HCO₃⁻の濃縮液は、それぞれ1mL加えると目的イオンが1ppm増えるように設計
- 濃縮液を加える分だけ純水を減らし、完成量を常に1Lにする
例えば、
- Mg 35ppm
- Ca 35ppm
- HCO₃⁻ 40ppm
のカスタムウォーターを作る場合は、
- 純水:890mL
- Mg濃縮液:35mL
- Ca濃縮液:35mL
- HCO₃⁻濃縮液:40mL
を混ぜるだけで、理論値どおりの1Lのカスタムウォーターが完成します。
このCMSを基準にすることで、次章の基本レシピだけでなく、海外で公開されているカスタムウォーターのレシピも、そのまま再現しやすくなります。
濃縮液の作り方(Coffee Monster Standard)
ここでは、本記事で採用しているCoffee Monster Standard(CMS)の濃縮液を作ります。
CMSでは、
「濃縮液1mLを加えると、完成した1Lの水の目的イオン濃度が1ppm(1mg/L)増える」
ように濃縮液を設計しています。

CMS濃縮液のルール
CMSでは、次の3種類の濃縮液を作ります。
- マグネシウム(Mg)濃縮液
- カルシウム(Ca)濃縮液
- 重炭酸イオン(HCO₃⁻)濃縮液
どの濃縮液も
1mL = 目的イオン1ppm
になるように化学量論から計算しています。
例えば、
- Mg濃縮液を35mL加える → Mg 35ppm
- Ca濃縮液を20mL加える → Ca 20ppm
- HCO₃⁻濃縮液を40mL加える → HCO₃⁻ 40ppm
というように、そのままmLを量るだけでレシピを再現できます。
① マグネシウム(Mg)濃縮液
使用するもの
- エプソムソルト(硫酸マグネシウム七水和物)
- 純水(RO水・蒸留水でも可)
- 1L保存ボトル
レシピ
| 材料 | 使用量 |
|---|---|
| エプソムソルト(MgSO₄・7H₂O) | 10.14g |
| 純水 | 完成量1000mLまで加える |
作り方
① 保存ボトルへエプソムソルト10.14gを入れる
② 少量の純水を加えて完全に溶かす
③ 最後に純水を追加し、液量が1000mLになるよう調整する
これで
1mL = Mg 1ppm
の濃縮液が完成します。
② カルシウム(Ca)濃縮液
使用するもの
- 塩化カルシウム二水和物
- 純水
- 1L保存ボトル
レシピ
| 材料 | 使用量 |
|---|---|
| 塩化カルシウム二水和物(CaCl₂・2H₂O) | 3.67g |
| 純水 | 完成量1000mLまで加える |
作り方
① 保存ボトルへ塩化カルシウム二水和物3.67gを入れる
② 少量の純水で完全に溶かす
③ 最後に純水を追加し、液量が1000mLになるよう調整する
これで
1mL = Ca 1ppm
の濃縮液が完成します。
③ 重炭酸イオン(HCO₃⁻)濃縮液
使用するもの
- 炭酸水素ナトリウム(重曹)
- 純水
- 1L保存ボトル
レシピ
| 材料 | 使用量 |
|---|---|
| 炭酸水素ナトリウム(NaHCO₃) | 1.38g |
| 純水 | 完成量1000mLまで加える |
作り方
① 保存ボトルへ炭酸水素ナトリウム1.38gを入れる
② 少量の純水で完全に溶かす
③ 最後に純水を追加し、液量が1000mLになるよう調整する
これで
1mL = HCO₃⁻ 1ppm
の濃縮液が完成します。
なぜ「1000mLまで加える」の?
ここがCMSで最も重要なポイントです。
「純水1000mLに粉末を加える」のではなく、
粉末を溶かしたあと、完成量が1000mLになるよう純水を加えるのがおすすめです。
もし1000mLの純水に粉末を加えてしまうと、最終的な液量は1000mLを超えてしまいます。
その結果、目的イオンの濃度が少し薄くなり、「1mL = 1ppm」というCMSのルールからわずかにずれてしまいます。
完成量を1000mLに合わせることで、理論どおりの濃度となり、海外レシピも正確に再現できるようになります。
保存方法
濃縮液は密閉できる清潔なボトルへ入れ、冷蔵庫で保存してください。
使用時はスポイトやシリンジも清潔なものを使用すると品質を保ちやすくなります。
また、濁りや異臭など異常が見られた場合は使用せず、新しく作り直してください。
保存期間の目安は約1か月ですが、なるべく早く使い切って下さい。
コーヒー屋からのワンポイント
CMSの最大の特徴は、「ppm = 加えるmL」という分かりやすさです。
例えば「Mgを10ppm増やしたい」と思ったら、Mg濃縮液を10mL追加するだけ。
このシンプルなルールのおかげで、基本レシピだけでなく、世界中で公開されているカスタムウォーターレシピも簡単に再現できます。
基本のカスタムウォーターレシピ
ここでは、CMS(Coffee Monster Standard)を使った基本のレシピを3種類紹介します。
どれも「1mL = 1ppm」のルールで設計しているため、計算は不要です。
濃縮液を必要な量だけ加えるだけで、目的のカスタムウォーターを再現できます。
① バランス型レシピ(迷ったらこれ)
最も汎用性が高く、浅煎りから深煎りまで幅広く使えるレシピです。
特に初めてカスタムウォーターを作る方は、このレシピから試すことをおすすめします。
レシピ
| 材料 | 使用量 |
|---|---|
| 純水 | 890mL |
| Mg濃縮液 | 35mL |
| Ca濃縮液 | 35mL |
| HCO₃⁻濃縮液 | 40mL |
完成する水
- Mg:35ppm
- Ca:35ppm
- HCO₃⁻:40ppm
味の特徴
- 甘さ
- 香り
- コク
のバランスが良く、多くのコーヒーに合わせやすい万能レシピです。
② 浅煎り向けレシピ
浅煎りは酸味や華やかな香りが魅力です。
そのため、マグネシウムを多めに、重炭酸イオンを控えめにすることで、明るい酸味やフルーティーさを引き出しやすくなります。
レシピ
| 材料 | 使用量 |
|---|---|
| 純水 | 905mL |
| Mg濃縮液 | 50mL |
| Ca濃縮液 | 20mL |
| HCO₃⁻濃縮液 | 25mL |
完成する水
- Mg:50ppm
- Ca:20ppm
- HCO₃⁻:25ppm
味の特徴
- 華やかな香り
- フルーティーな酸味
- クリーンな後味
エチオピアやケニアなど、酸味を楽しみたいコーヒーにおすすめです。
③ 深煎り向けレシピ
深煎りは苦味やチョコレートのような甘さが特徴です。
重炭酸イオンをやや多めにすることで、酸味を穏やかにし、コクやボディ感を引き出しやすくなります。
レシピ
| 材料 | 使用量 |
|---|---|
| 純水 | 885mL |
| Mg濃縮液 | 20mL |
| Ca濃縮液 | 40mL |
| HCO₃⁻濃縮液 | 55mL |
完成する水
- Mg:20ppm
- Ca:40ppm
- HCO₃⁻:55ppm
味の特徴
- コク
- 甘さ
- なめらかな口当たり
ブラジルやマンデリンなど、深煎りとの相性が良いレシピです。
まずはレシピどおりに作ってみよう
コーヒー豆や焙煎度、好みによって最適なバランスは変わります。
まずは今回紹介した3つのレシピを試し、その後、
- 「もう少し酸味を出したい」
- 「もっと甘さが欲しい」
- 「コクを強くしたい」
と感じたら、Mg・Ca・HCO₃⁻を少しずつ調整してみましょう。
CMSなら、「1mL = 1ppm」なので、数値の変化と味の変化が分かりやすく、自分だけのレシピを作ることができます。
まずは飲み比べてみよう
ここまで読んで、「カスタムウォーターって難しそう」と感じた方もいるかもしれません。
しかし、実際にやってみると意外とシンプルです。
CMSでは「1mL = 1ppm」という分かりやすいルールなので、レシピどおりに混ぜるだけで、誰でも同じ水を再現できます。
大切なのは、最初から完璧なレシピを目指すことではなく、自分の好みを見つけることです。
まずは基本レシピを試そう
初めてカスタムウォーターを作る場合は、まずバランス型レシピから試してみましょう。
このレシピは、浅煎りから深煎りまで幅広く合わせやすく、カスタムウォーターの基準となる味を知ることができます。
最初に基準を作っておくことで、その後の味の変化も感じ取りやすくなります。
ミネラルを少しずつ変えてみよう

基本レシピに慣れてきたら、ミネラルを少しだけ調整してみましょう。
例えば、
- 酸味や華やかな香りをもう少し引き出したい → Mgを5ppm増やす
- コクや厚みを出したい → Caを5ppm増やす
- 酸味を少し穏やかにしたい → HCO₃⁻を5ppm増やす
CMSなら、5ppm増やしたい場合は濃縮液を5mL増やすだけです。
数値と味の変化が結び付きやすく、「どのミネラルがどんな味に影響するのか」を自然と理解できるようになります。
味の変化を記録すると上達が早い
カスタムウォーター作りは、一度で理想のレシピを見つけるものではありません。
少しずつ調整しながら、自分の好みに近づけていくことが楽しさでもあります。
おすすめなのは、試したレシピと感想を簡単にメモしておくことです。
例えば、
| レシピ | 感じた味 |
|---|---|
| Mg +5ppm | 香りが華やかになった |
| Ca +5ppm | コクが増して甘さを感じた |
| HCO₃⁻ +5ppm | 酸味が穏やかになった |
このように記録していくと、自分だけの「お気に入りレシピ」が見つかりやすくなります。
コーヒー屋からひとこと
カスタムウォーターに正解はありません。
同じコーヒー豆でも、「もっと酸味を楽しみたい」「甘さを強調したい」「コクを出したい」など、目指す味によって最適な水は変わります。
だからこそ、自分で水を設計できるようになると、コーヒーの楽しみ方は大きく広がります。
まずは基本レシピから始めて、少しずつ自分だけの一杯を見つけてみてください。
きっと今まで以上に、コーヒーを淹れる時間が楽しくなるはずです。
よくある質問(FAQ)
濃縮液はどれくらい保存できますか?
清潔な密閉ボトルへ入れ、冷蔵庫で保存した場合、約1か月を目安に使い切ることをおすすめします。
ただし、保存状態によって品質は変化するため、濁りや沈殿、異臭などが見られた場合は使用せず、新しく作り直してください。
また、スポイトやシリンジを直接ボトルへ入れると雑菌が入りやすくなるため、使用する器具も清潔に保つことが大切です。
食品用エプソムソルトなら安全ですか?
はい、食品添加物として販売されている食品用エプソムソルトであれば使用できます。
一方で、入浴剤として販売されているエプソムソルトには香料や添加物が含まれている場合があります。
必ず食品用と表示された製品を使用してください。
水道水でも作れますか?
おすすめは純水・RO水・蒸留水です。
水道水には地域ごとに異なる量のミネラルが含まれているため、同じレシピでも味が変わってしまいます。
CMSは「何ppmのミネラルが含まれているか」を正確に管理する考え方なので、できるだけミネラルを含まない水から作ることをおすすめします。
ミネラルは一度に全部入れる必要がありますか?
必ずしも3種類すべてを入れる必要はありません。
例えば、
- マグネシウムだけ加えて酸味や香りの変化を試す
- 重炭酸イオンだけ増やして酸味の変化を確認する
など、一つずつ試してみるのもおすすめです。
それぞれの役割を体感できるため、ミネラルごとの違いを理解しやすくなります。
最終的には、Mg・Ca・HCO₃⁻の3種類を組み合わせることで、より自由に味を設計できるようになります。
初心者はどのレシピから始めるのがおすすめですか?
まずはバランス型レシピから始めましょう。
バランス型は、浅煎りから深煎りまで幅広く使いやすく、CMSの基準となる味を知ることができます。
その後、
- 香りをもっと引き出したい → Mgを+5ppm
- コクを増やしたい → Caを+5ppm
- 酸味を穏やかにしたい → HCO₃⁻を+5ppm
というように、5ppmずつ調整しながら飲み比べると、自分好みのレシピを見つけやすくなります。
CMSでは「1mL = 1ppm」なので、調整も非常にシンプルです。
海外のカスタムウォーターレシピも再現できますか?
はい。
CMSは「1mL = 1ppm」というルールで設計しているため、海外で公開されているレシピの多くを簡単に再現できます。
例えば、
- Mg 40ppm
- Ca 20ppm
- HCO₃⁻ 35ppm
というレシピなら、
- Mg濃縮液:40mL
- Ca濃縮液:20mL
- HCO₃⁻濃縮液:35mL
を加えるだけです。
まとめ
カスタムウォーターは、一見すると難しそうに感じるかもしれません。
しかし、基本となるミネラルの役割を理解し、濃縮液を作ってしまえば、あとはレシピどおりに混ぜるだけです。
本記事では、独自の基準としてCoffee Monster Standard(CMS)を採用しました。
CMSでは、
- 完成量は必ず1L(1000mL)
- 濃縮液1mL = 目的イオン1ppm
- 濃縮液を加えた分だけ純水を減らす
というシンプルなルールで設計しています。
この仕組みによって、初心者でも迷うことなくカスタムウォーターを作ることができ、海外で公開されているレシピも簡単に再現できるようになります。
最初はバランス型レシピから始めて、少しずつMg・Ca・炭酸水素塩(重炭酸イオン)の量を調整しながら、自分好みの味を見つけてみてください。
コーヒー豆や焙煎度だけでなく、「水」を変えることで、同じ豆とは思えないほど味が変わることもあります。
ぜひ、自分だけの一杯を設計する楽しさを体験してみてください。


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