
Contents
1.それは紙一重の違い
CAFEC(カフェック)のペーパーフィルターは、「コーヒーの味を変える紙」ではなく、「抽出を設計するための器具」です。
一般的にペーパーフィルターは「白と茶色の違い」や「紙の素材」ばかり注目されがちですが、本当に重要なのはお湯がどのようにコーヒーの粉(濾過層)を通過するかです。
コーヒーの味は、
- お湯がどれくらいの速さで流れるか
- コーヒー粉とどれくらい接触するか
- 抽出の後半で流れがどのように変化するか
といった抽出の設計によって大きく左右されます。
CAFECのペーパーフィルターは、この流れをコントロールするために、紙の厚みや密度、クレープ(しわ)の高さ、空気層まで細かく設計されています。
つまり、味そのものを変えるのではなく、狙った抽出を再現しやすくするフィルターという考え方です。
実際にCAFECには、
- アバカシリーズ
- Tシリーズ
- アバカプラスシリーズ
など複数の種類があります。
「浅煎り用」「深煎り用」と紹介されることもありますが、実際には焙煎度だけで選ぶものではありません。
それぞれ抽出スピードや後半のブレーキの掛かり方が異なるため、自分が目指す味に合わせて選ぶことが大切です。
私自身、コーヒー業界で13年以上抽出を続けてきましたが、フィルターは「唯一液体が必ず通過する器具」です。
ドリッパーやミルに比べると見落とされがちですが、抽出の安定性や再現性を左右する非常に重要な存在だと考えています。
この記事では、それぞれのフィルターの違いだけでなく、
- どんな人に向いているのか
- 味はどう変わるのか
- どのような基準で選べば失敗しないのか
を、コーヒー屋の視点からわかりやすく解説していきます。
かなり長くなりましたので30秒でわかるまとめを先に用意しました↓。

2. なぜCAFECはフィルターにここまでこだわるのか
前章では、CAFECのペーパーフィルターは「味を変える紙」ではなく、「抽出を設計する器具」だとお伝えしました。
では、なぜCAFECはここまでペーパーフィルターにこだわるのでしょうか。
その答えは、CAFECがペーパーフィルターを単なる消耗品ではなく、コーヒー抽出を構成する重要な器具と考えているからです。
一般的にペーパーフィルターは、「コーヒー粉を受け止める紙」というイメージを持たれがちです。しかし、抽出されたコーヒー液は最後に必ずペーパーフィルターを通過します。
つまり、ペーパーフィルターはコーヒー液が唯一通過する器具です。
だからこそCAFECは、紙の厚みや密度、クレープ(しわ)の形状などを細かく設計し、狙った抽出スピードを実現できるよう開発を続けています。
「その先にあるコーヒースマイルを!」に込められた想い
CAFECは、ペーパーフィルターをはじめとしたコーヒー器具を製造する三洋産業のブランドです。
ブランドコンセプトとして掲げているのが、
「その先にあるコーヒースマイルを!」
という言葉です。
その先とは皆さんのご家庭を指しています。
「コーヒーの抽出は難しいことではない、
誰でも家庭で簡単に美味しいコーヒーを楽しんでもらいたいという想いを届ける」
この言葉には、器具そのものを販売するのではなく、おいしいコーヒーを通して笑顔を届けたいという想いが込められています。
その考え方は、ペーパーフィルターづくりにも表れています。
「紙だから何でも同じ」ではなく、一杯のコーヒーをよりおいしく、より安定して抽出するための器具として開発しているのです。
フィルターを抽出器具として考えるメーカー
CAFECのペーパーフィルターには、アバカシリーズやTシリーズ、Abaca+シリーズなど、複数の種類があります。
「なぜここまで種類が多いの?」と思う方もいるかもしれません。
その理由は、それぞれが異なる抽出設計を目的としているからです。
紙の素材や厚み、通液性などを変えることで、お湯の流れをコントロールし、狙った抽出を再現しやすくしています。
つまり、フィルターで味を変えているのではなく、抽出をコントロールするためにフィルターを設計しているという考え方です。
ドリッパーとフィルターを一つのシステムとして設計
CAFECは、ペーパーフィルター単体ではなく、ドリッパーとの組み合わせまで考えて設計しています。
特にCAFECのフラワードリッパーは、専用のペーパーフィルターと組み合わせることで、本来の性能を最大限に発揮できるよう設計されています。
つまり、ドリッパーとフィルターは別々の器具ではなく、一つの抽出システムとして考えられているのです。
この考え方を知ると、CAFECが多くの種類のペーパーフィルターを開発している理由も見えてきます。
次の章では、それぞれのフィルターがどのような特徴を持ち、どのような違いがあるのかを詳しく見ていきましょう。
3. CAFECフィルターが評価される理由
CAFECのペーパーフィルターは、多くのコーヒー愛好家やプロのバリスタから高い評価を受けています。
その理由は、「素材が良いから」「有名だから」ではありません。
一枚のペーパーフィルターに、抽出を安定させるための細かな工夫が詰め込まれているからです。
なぜCAFECはこれほど多くのフィルターを開発しているのか
CAFECには、アバカシリーズ・Tシリーズ・Abaca+シリーズなど、多くの種類のペーパーフィルターがあります。
一見すると「種類が多すぎる」と感じるかもしれません。
しかし、それぞれが目指しているのは異なる味ではなく、異なる抽出設計です。
抽出スピードや通液性、後半のお湯の抜け方などをコントロールするために、素材や紙の構造を細かく設計しています。
だからこそCAFECでは、一種類ですべてをまかなうのではなく、目的に合わせてフィルターを選ぶという考え方を採用しているのです。
アバカ繊維とは?
CAFECを代表する素材が「アバカ繊維」です。
アバカとは、フィリピンなどで栽培される植物で、「マニラ麻」とも呼ばれています。
アバカ繊維は、一般的な木材パルプの繊維と比べて約半分の細さでありながら、約4倍の強度を持つことが特徴です。
繊維が細く、それでいて高い強度を持つため、お湯の通り道を確保しやすく、スムーズな通液性を実現できます。
CAFECはこの特性を活かし、お湯が自然に抜けやすいペーパーフィルターを開発しています。
つまり、アバカ繊維を採用した目的は、丈夫なフィルターを作ることではありません。
理想的なお湯の流れをつくり、抽出を設計するためなのです。
木材パルプとの違い
一般的なペーパーフィルターは、木材パルプを主原料として作られています。
一方、CAFECのアバカフィルターにはアバカ繊維が配合されており、通液性を高める工夫が施されています。
もちろん、「アバカだからおいしい」「木材パルプだから劣る」ということではありません。
重要なのは、どのようなお湯の流れを設計しているかです。
CAFECは素材そのものではなく、素材の特性を活かして抽出をコントロールすることを重視しています。

クレープ加工の役割
ペーパーフィルターの表面にある細かな「しわ」は、クレープ加工と呼ばれています。
このクレープ加工には、ドリッパーとの間に空気の通り道を作る役割があります。
空気層が確保されることで、お湯がスムーズに抜けやすくなり、抽出中の流れが安定します。
CAFECでは、クレープの高さや形状まで設計されており、フィルターごとに異なる抽出特性を実現しています。
素材だけではなく、紙の加工方法まで含めて抽出設計を行っていることも、CAFECが評価される理由の一つです。
紙の均一性が高い理由
どれだけ優れた素材を使っていても、紙全体の品質にムラがあれば、お湯の流れは安定しません。
紙の厚みや繊維の密度にばらつきがあると、お湯が流れやすい場所と流れにくい場所ができ、毎回同じ抽出を再現することが難しくなります。
CAFECは製紙技術にもこだわり、紙全体の均一性を高めることで、安定した抽出と高い再現性を目指しています。
この細かな品質管理が、世界中のコーヒー愛好家やプロから信頼される理由の一つです。
光にかざして分かった品質の違い(実体験)
私自身、CAFECのペーパーフィルターと一般的なペーパーフィルターを光にかざして比較したことがあります。
すると、CAFECのフィルターは紙全体が均一に光を通していたのに対し、一般的なフィルターは明るい部分と暗い部分が目立ちました。
光に透かしただけで抽出性能を判断することはできません。
しかし、紙の均一性にここまで違いがあることには驚きました。
毎日コーヒーを淹れている立場から考えると、この均一性へのこだわりが、お湯の流れを安定させ、再現性の高い抽出につながっているのではないかと感じています。
一枚のペーパーフィルターにも、ここまで細かな技術と設計思想が詰め込まれていることが、CAFECが多くの人から支持される理由なのです。
4. CAFECペーパーフィルターの種類と特徴
CAFECでは、抽出スタイルや目的に合わせて複数のペーパーフィルターが販売されています。
「どれを選んでも同じ」ではなく、それぞれ異なる特徴を持っていることがCAFECフィルターの魅力です。
ここでは、代表的な3種類のフィルターをご紹介します。
4-1. Abacaフィルター
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CAFECのスタンダードモデル
Abaca(アバカ)フィルターは、CAFECを代表するスタンダードモデルです。
初めてCAFECを使う方にもおすすめされる定番モデルで、多くのコーヒー愛好家やプロのバリスタにも愛用されています。
CAFECのフィルターづくりの基本となる考え方が詰まった、一番ベーシックなペーパーフィルターです。
高い通液性と安定した抽出
Abacaフィルターには、アバカ繊維が配合されています。
アバカ繊維は、木材パルプの繊維と比べて約半分の細さでありながら約4倍の強度を持っています。
この特性を活かすことで、お湯がスムーズに流れやすい高い通液性を実現しています。
また、CAFEC独自の製紙技術と組み合わせることで、毎回安定した抽出がしやすいことも大きな特徴です。
4-2. Tシリーズ
なぜTシリーズが開発されたのか
CAFECでは、焙煎度によってコーヒー豆の性質が異なることに着目し、それぞれに適した抽出を実現するためにTシリーズを開発しました。
ペーパーフィルターの厚みやクレープ加工を調整することで、抽出後半のお湯の流れまでコントロールできるよう設計されています。
そのため、Tシリーズは「焙煎度別フィルター」としてラインナップされています。
※実際の選び方については、第5章で詳しく解説します。
T-92
T-92は、浅煎り向けとして開発されたペーパーフィルターです。
浅煎り豆の持つ華やかな香りや酸味、甘さを引き出しやすいよう設計されています。
T-90
T-90は、中深煎り向けのモデルです。
浅煎りと深煎りの中間にあたる焙煎度に合わせて設計され、バランスの取れた抽出を目指しています。
T-83
T-83は、深煎り向けのモデルです。
深煎り豆のコクや甘みを引き出しやすいよう設計されており、CAFECのTシリーズの中では深煎りに適した位置付けとなっています。
4-3. Abaca+
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Abacaから何が進化したのか
Abaca+(アバカプラス)は、Abacaフィルターをさらに進化させたモデルです。
アバカ繊維の特性を活かしながら製紙技術を見直すことで、従来よりも高い通液性を実現しています。
より自由度の高い抽出を求める方や、細かなレシピ調整を楽しみたい方に向けて開発されたペーパーフィルターです。
通液性の向上
Abaca+は、お湯がよりスムーズに抜けるよう設計されています。
そのため、注ぎ方やレシピの違いが反映されやすく、抽出を細かくコントロールしたい方にも適しています。
CAFECが掲げる「抽出を設計するフィルター」という考え方を、さらに発展させたモデルと言えるでしょう。
FSC®認証・環境への配慮
Abaca+では、FSC®認証紙を採用しています。
適切に管理された森林資源を利用することで、環境へ配慮した製品づくりに取り組んでいます。
SDGsへの取り組み
CAFECは、抽出性能だけでなく環境への配慮にも力を入れています。
Abaca+では、環境負荷の少ない素材やパッケージを採用するなど、SDGsを意識した製品開発が進められています。
性能だけでなく、持続可能なものづくりもAbaca+の魅力の一つです。
5. Tシリーズは「焙煎度」だけではなく「目指す味」で選ぶ
CAFECのTシリーズは、「浅煎り用」「中深煎り用」「深煎り用」という名称から、焙煎度ごとに使い分けるペーパーフィルターと思われがちです。
もちろん、その考え方は間違いではありません。
しかし、Tシリーズの本当の魅力は、焙煎度に合わせることではなく、目指す味に合わせて抽出を設計できることにあります。
CAFEC公式の考え方
CAFECのTシリーズは、
- T-92(92℃):浅煎り向け
- T-90(90℃):中深煎り向け
- T-83(83℃):深煎り向け
というラインナップになっています。
実は、この数字は単なる型番ではありません。
それぞれの焙煎度でおすすめされる抽出温度を表しています。
つまりCAFECは、ペーパーフィルターだけでなく、お湯の温度まで含めて理想的な抽出を提案しているのです。
抽出後半の流速(ブレーキ)の違い

Tシリーズ最大の特徴は、抽出後半の流速(ブレーキ)の違いにあります。
抽出の前半は、どのフィルターでも比較的スムーズにお湯が流れます。
しかし後半になると、コーヒー粉が崩れたり微粉が影響したりすることで、お湯の流れは大きく変化します。
CAFECは、この抽出後半のお湯の流れまで設計しています。
例えば、浅煎りの豆は硬く、ミルによっては微粉が発生しやすい特徴があります。
豆が硬いので蒸らしの段階で豆が膨らみにくく、さらにお湯がさらっと抜け落ちがちです。
酸味だけでなくしっかり甘みまで引き出すには、後半までしっかり抽出を続けることが重要です。
そのため、T-92は後半にしっかりブレーキをかける設計になっています。
一方、深煎りはコクや甘みが十分に出る前に抽出が終わってしまうことがあります。
そこでT-83は後半に緩やかなブレーキをかけることで、コクや甘みを引き出しやすくしています。
ただし、浅煎り用のように強いブレーキをかけると、深煎りではえぐみや雑味まで抽出されやすくなります。
そのため、焙煎度ごとに理想的な流速変化になるよう、それぞれ異なる設計が採用されています。
クレープでブレーキをコントロール
多くの人は、
「クレープが深い=お湯が流れやすい」
と考えます。
もちろんそれも正しいのですが、実はもう一つ大切な理由があります。
クレープが深いほど、シワを広げたときのペーパーの表面積が大きくなるのです。
つまり、
- クレープが深い
- ↓
- ペーパー全体の表面積が広い
- ↓
- 微粉が付着できる面積も広い
- ↓
- 微粉が一か所に集中しにくい
- ↓
- 後半になっても目詰まりしにくい
- ↓
- 抽出速度が安定する
あえてクレープを浅くすると…
逆に、クレープを浅くするとペーパーの表面積は小さくなります。
すると、
- 微粉が限られた場所に集まりやすい
- ペーパーが目詰まりしやすい
- 抽出後半で流れが遅くなる
つまり、後半だけ自然にブレーキがかかるというわけです。

クレープ画像はイメージです。
コーヒー屋としての一言
この考え方を知ると、
クレープは「お湯を速く流すためのシワ」ではなく、「後半の抽出速度まで設計するためのシワ」
という見方ができます。
だからCAFECの焙煎度別フィルターは、「焙煎度専用」ではなく抽出カーブ(時間変化)を設計するためのフィルターと言われるのです。
私が深煎りでもT-92を使う理由
私は、深煎りを抽出するときでもT-92を使うことがあります。
理由は、焙煎度ではなく、目指す味でフィルターを選んでいるからです。
例えば、深煎りでも甘さやコクをよりしっかり引き出したいときには、あえてT-92を選ぶことがあります。
もちろん、これは「深煎りには必ずT-92が良い」という意味ではありません。
抽出レシピや注ぎ方との組み合わせによって、理想の味に近づけるための選択です。
私にとってTシリーズは、「焙煎度専用のフィルター」ではなく、抽出速度をコントロールするためのフィルターなのです。
焙煎度よりも抽出設計で考える
日本では、「浅煎り用」「深煎り用」という表記から、「その焙煎度以外には使えない」と考えられることが少なくありません。
しかし海外では、Tシリーズを抽出速度や流速の違いとして紹介しているケースもあり、「どんな味を目指すか」に応じて使い分ける考え方も広がっています。
もちろん、CAFECが提案する焙煎度別の使い分けは、とても参考になる基準です。
一方で、抽出に慣れてきたら、その枠に縛られる必要はありません。
大切なのは、
「この焙煎度だから、このフィルター」ではなく、
「どんな一杯を淹れたいのか。」
その味を実現するためにフィルターを選ぶことです。
私は、この考え方こそがCAFECの「抽出を設計するフィルター」という思想を最もよく表していると考えています。
6. フラワードリッパーとの組み合わせで真価を発揮
CAFECのペーパーフィルターは、どの円錐ドリッパーでも使用できます。
しかし、CAFECが本来目指した抽出性能を最大限に発揮できるのは、同社のフラワードリッパーとの組み合わせです。
なぜなら、CAFECはドリッパーとペーパーフィルターを別々の製品ではなく、一つの抽出システムとして開発しているからです。
フラワードリッパー専用の設計
CAFECのフラワードリッパーは、ペーパーフィルターの性能を活かすことを前提に設計されています。
特徴的な花びら形状(フラワーリブ)は、ペーパーフィルターとドリッパーの間に適度な空間を作り、お湯や空気の流れを妨げにくくしています。
その結果、ペーパーフィルターが持つ通液性や流速設計を活かしやすくなり、CAFECが目指した抽出を再現しやすくなります。
つまり、ドリッパーとフィルターは、それぞれ単独で設計されたものではなく、お互いの性能を引き出すために開発された組み合わせなのです。
他社ドリッパーでも使える?
もちろん、CAFECのペーパーフィルターはHARIO V60やその他の円錐ドリッパーでも使用できます。
実際に私も、フラワードリッパー以外で使用したことがありますが、十分に高い品質を感じました。
ただし、リブの形状や高さ、フィルターとの接触面積はドリッパーごとに異なるため、お湯の抜け方や抽出速度も多少変化します。
そのため、CAFECが設計した本来の特性を最大限に体感したいのであれば、フラワードリッパーとの組み合わせがおすすめです。
最大限性能を引き出す組み合わせ
CAFECの魅力は、「良いドリッパー」と「良いペーパーフィルター」を別々に作っていることではありません。
ドリッパー・ペーパーフィルター・抽出理論を一つのシステムとして考えていることにあります。
例えば、Tシリーズでは焙煎度や目指す味に合わせて抽出後半の流速を設計し、Abacaシリーズでは高い通液性と安定した抽出を実現しています。
そして、その性能を最大限に発揮できるよう設計されているのが、フラワードリッパーです。
もちろん、他社ドリッパーでも十分に使えます。
しかし、CAFECが目指した「抽出を設計する」という考え方を最も体感できるのは、フラワードリッパーとの組み合わせだと私は感じています。
7. 実際に使って感じたCAFECフィルターの違い
ここまでは、CAFECの設計思想や各フィルターの特徴をご紹介してきました。
ここからは、私自身が実際に使って感じた違いをお伝えします。
私はコーヒーインストラクター1級として13年以上コーヒーに携わり、さまざまなメーカーのペーパーフィルターを使用してきました。
その中でもCAFECのフィルターは、「紙を変えただけ」とは思えないほど抽出の再現性が高く、レシピ通りの味を安定して出しやすいと感じています。
抽出スピード
私が最も違いを感じたのは、抽出後半の流れです。
一般的なペーパーフィルターでは、抽出後半になると急激に流速が落ちてしまいがちです。
一方、CAFECのフィルターは流速が安定しています。
前半はゆっくり丁寧に抽出、後半はスピードを上げて一気に抽出なんて事が可能です。
さらに毎回ほぼ同じ抽出時間で淹れやすい印象があります。
特にTシリーズは、抽出後半の流速まで設計されているため、レシピの違いが味に反映されやすく、「抽出をコントロールしている」という感覚を得られました。
味の傾向
CAFECのフィルターを使って感じたのは、「味を変える」というよりも、豆本来の個性を素直に引き出しやすいということです。
浅煎りでは華やかな酸味や甘さが表現しやすく、深煎りではコクや甘みをバランス良く引き出しやすいと感じています。
もちろん、味は焙煎や挽き目、抽出レシピなどさまざまな要素で決まります。
しかし、ペーパーフィルターが抽出を補助することで、毎回同じ味を再現しやすくなることは、CAFECならではの大きな魅力です。
私の使い分け
現在、私が最も使用しているのはAbacaフィルターです。
通液性と抽出の安定感のバランスが良く、浅煎りから深煎りまで幅広く使えるため、普段の営業や自宅での抽出でも自然と手に取る機会が一番多くなっています。
一方で、抽出レシピを細かく調整したいときや、流速をコントロールしながら味づくりを楽しみたいときにはTシリーズを選びます。
その日のコーヒー豆や目指す味に合わせてフィルターを使い分けられることが、CAFEC最大の魅力だと感じています。
初心者におすすめの選び方
これからCAFECを使ってみたい方には、まずAbacaフィルターをおすすめします。
CAFECの高い通液性や抽出の安定感を最も体感しやすく、焙煎度を問わず扱いやすいスタンダードモデルだからです。
一方で、
- 抽出レシピをもっと楽しみたい
- 流速まで意識して味づくりをしたい
- 同じ豆でも味の違いを追求したい
という方は、ぜひTシリーズにも挑戦してみてください。
CAFECの魅力は、ペーパーフィルターを交換することではありません。
「どんな一杯を淹れたいか」を考えながら抽出を組み立てられること。
それが、私がCAFECのペーパーフィルターを使い続けている一番の理由です。
8. JHDCでも選ばれる理由
CAFECのペーパーフィルターは、家庭用として人気があるだけではありません。
日本最高峰のハンドドリップ競技会である**JHDC(ジャパン ハンドドリップ チャンピオンシップ)**でも、多くのトップバリスタから高く評価されています。
特に注目したいのが、CAFEC製品を使用した優勝者が5大会連続で誕生していることです。
さらに、歴代の優勝者だけでなく、多くのファイナリストもCAFECの器具やペーパーフィルターを使用しています。
これは、単なる人気ではなく、「理想の抽出を再現しやすい」という性能が競技の現場で評価されている証拠と言えるでしょう。
JHDC優勝者とCAFECの実績
| 大会 | 優勝者 | CAFEC製品 |
|---|---|---|
| 2025 | 新田 衣祥さん | フラワードリッパー×アバカフィルター |
| 2024 | 新田 和雄さん | フラワードリッパー×アバカフィルター |
| 2023 | 新田 和雄さん | フラワードリッパー×アバカフィルター |
| 2020(2022年開催) | 黒澤 俊さん | フラワードリッパー×アバカフィルター |
| 2019 | 畠山 大輝さん | フラワードリッパー×アバカフィルター |
※2020年大会は新型コロナウイルスの影響により延期され、2022年に開催されました。
チャンピオン・ファイナリストが選ぶ理由
競技会では、表現したいカップをいかに再現できるかがポイントです。
本番でいつもと同じ味を再現できることが求められます。
CAFECは、アバカ繊維や紙の均一性、クレープ加工などを細かく設計することで、お湯の流れをコントロールしやすくしています。
さらに、ドリッパーとペーパーフィルターを一つの抽出システムとして設計しているため、抽出レシピを忠実に再現しやすいことも大きな特徴です。
だからこそ、優勝者だけでなく、多くのファイナリストもCAFECを選び続けているのだと思います。
再現性の高さと抽出の安定性
私自身もCAFECを使って感じる最大の魅力は、抽出の再現性です。
同じ豆、同じ挽き目、同じレシピ、同じ注ぎ方であれば、毎回ほぼ同じ味を目指しやすいと感じています。
これは競技会だけでなく、お店での営業や自宅でコーヒーを楽しむ方にとっても大きなメリットです。
CAFECのペーパーフィルターは、味を変えるための紙ではありません。
狙った味を、何度でも再現するための抽出器具。
その高い再現性と安定性が、JHDCの歴代チャンピオン、そして多くのファイナリストから支持され続けている理由なのだと私は考えています。
9. CAFECペーパーフィルターはこんな人におすすめ
ここまでCAFECのペーパーフィルターについて詳しくご紹介してきました。
最後に、「どのような人にCAFECがおすすめなのか」をまとめます。
CAFECの魅力は、一つのフィルターですべてに対応することではありません。
「どんな一杯を淹れたいか」に合わせて選べることです。
CAFECがおすすめな人
CAFECのペーパーフィルターは、次のような方におすすめです。
- コーヒーの味をもっと安定させたい方
- 毎回同じ味を再現したい方
- 抽出スピードまでこだわってみたい方
- 浅煎りから深煎りまで、豆に合わせた抽出を楽しみたい方
- ペーパーフィルターも抽出器具の一つとして考えたい方
特に、「なぜ同じレシピなのに味が変わるのだろう?」と感じたことがある方ほど、CAFECの設計思想を実感しやすいでしょう。
初めてならAbacaがおすすめ
CAFECを初めて使う方には、まずAbacaフィルターがおすすめです。
高い通液性と安定した抽出を両立しており、焙煎度を問わず使いやすいスタンダードモデルだからです。
CAFECの魅力を最も体感しやすい一枚と言えるでしょう。
| CAFEC アバカフィルター1杯用 AC1-100W |
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| 三洋 CAFEC アバカ 円すい形 コーヒーフィルター 2〜4杯用 (100枚) AC4-100W ホワイト |
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味づくりを楽しむならTシリーズ
抽出に慣れてきたら、ぜひTシリーズも試してみてください。
Tシリーズは、単純に「浅煎り用」「深煎り用」というフィルターではありません。
抽出後半の流速を設計することで、目指す味に近づけることができるシリーズです。
レシピを工夫しながら、「自分だけの一杯」を追求したい方にはぴったりです。
| CAFEC 浅煎り用T92 コーヒーフィルター 1杯用 LC1-100W |
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| CAFEC 中深煎り用T90 コーヒーフィルター 1杯用 MC1-100W |
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| CAFEC 深煎り用T83 コーヒーフィルター 1杯用 DC1-100W |
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自由度を求めるならAbaca+
| CAEFC アバカプラス 円すい白1杯用 APC1-100W |
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| CAFEC アバカプラス 円すい白2〜4杯用 APC4-100W |
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Abaca+は、より高い通液性を活かして抽出を組み立てたい方におすすめです。
注ぎ方やレシピの違いが反映されやすく、自分の抽出技術を活かしたい方に向いています。
また、FSC®認証紙を採用するなど、環境への配慮も重視したい方にもおすすめです。
私からのおすすめ
私自身、普段最も使用しているのはAbacaフィルターです。
安定した抽出がしやすく、営業でも自宅でも安心して使えるため、自然と使用頻度が高くなっています。
一方で、味づくりを楽しみたい日や、抽出を細かく調整したいときにはTシリーズを選びます。
CAFECの魅力は、「どれが一番優れているか」ではありません。
その日のコーヒー豆や、目指す味に合わせて選べること。
それこそが、CAFECのペーパーフィルターならではの楽しさだと私は感じています。
10. まとめ
CAFECのペーパーフィルターは、単なる消耗品ではありません。
**お湯の流れをコントロールし、理想の一杯へ近づけるための「抽出器具」**です。
アバカ繊維やクレープ加工、紙の均一性など、一枚のペーパーフィルターには多くの技術と設計思想が詰め込まれています。
また、Abaca・Tシリーズ・Abaca+には、それぞれ異なる役割があり、どれが優れているというものではなく、目指す味や抽出スタイルに合わせて選ぶことがCAFECの考え方です。
初めてCAFECを使うなら、まずはAbacaフィルターがおすすめです。
CAFECらしい高い通液性と安定した抽出を体感しやすく、幅広い焙煎度に対応できます。
さらに抽出を楽しみたくなったら、TシリーズやAbaca+を試してみてください。
きっと、ペーパーフィルター一枚でここまで抽出が変わるのかと驚くはずです。
私は13年以上コーヒーに携わってきましたが、CAFECを使うようになってから、ペーパーフィルターに対する考え方が大きく変わりました。
「フィルターは味を変える紙ではない。」
抽出を設計し、狙った味を何度でも再現するための器具。
この記事が、あなたにぴったりのCAFECペーパーフィルター選び、そして理想の一杯を見つけるきっかけになれば幸いです。

FAQ
Q1. CAFECペーパーフィルターはHARIO V60でも使えますか?
はい、使用できます。
CAFECの円錐フィルターはHARIO V60などの円錐ドリッパーでも問題なく使用できます。
ただし、CAFECが設計した性能を最大限に発揮するのは、フラワードリッパーとの組み合わせです。
Q2. Tシリーズは焙煎度専用ですか?
いいえ。
公式では焙煎度ごとにおすすめされていますが、実際には目指す味に合わせて選ぶという考え方もできます。
私自身も深煎りでT-92を使用することがあります。
Q3. 初めて買うならどれがおすすめですか?
迷ったらAbacaフィルターがおすすめです。
高い通液性と安定した抽出を両立しており、CAFECらしさを最も体感しやすいモデルです。
Q4. AbacaとAbaca+の違いは何ですか?
どちらもアバカ繊維を採用していますが、Abaca+はさらに通液性を高めたモデルです。
より自由度の高い抽出を楽しみたい方に向いています。
Q5. CAFECのフィルターは味が変わりますか?
フィルター自体が味を変えるわけではありません。
お湯の流れ(抽出速度)を変えることで、結果として味わいが変化します。
Q6. 漂白紙でも安全ですか?
はい。
CAFECの白いペーパーフィルターは酸素漂白を採用しており、安心して使用できます。
Q7. なぜCAFECはプロにも人気なのですか?
紙の均一性や流速設計により、狙った味を再現しやすいためです。
JHDCでも5大会連続でCAFEC製品を使用した優勝者が誕生していることからも、その再現性の高さが評価されています。

- ▶︎BASE CAMP.An という小さなコーヒー屋さんです
- ▶︎コーヒーモンスターとしてブログ・ネットショップを運営
- ▶︎その他に洋服・スニーカーなども販売
- ▶︎J.C.Q.A認定 コーヒーインストラクター1級・3級講師
- ▶︎IIAC認定エスプレッソイタリアーノテイスターです。
