
コーヒー教室をしていると、毎回のように聞かれる質問があります。
「コーヒー豆って冷蔵庫ですか?冷凍庫ですか?」
保存方法に興味を持つのはとても良いことです。
ただ、これまでたくさんの方のお話を聞いてきて思うのは、
「冷蔵か冷凍かより前に気にした方がいいことがありますよ」
ということ。
今回はコーヒー教室で実際によく見かける、コーヒー豆保存の勘違いをご紹介します。
Contents
第1位 冷蔵庫に入れたら安心だと思っている

これは本当に多いです。
教室で
「保存はどうされていますか?」
と聞くと、
「ちゃんと冷蔵庫です!」
と自信満々に答えてくださいます。
ところが詳しく聞いてみると、
袋の口が開いたままだったり、
輪ゴムで軽く止めているだけだったり。
実は冷蔵庫の中には、
- 湿気
- 酸素
- さまざまな食品の匂い
- 水分
があります。
コーヒー豆は匂いや水分を吸いやすいので、
気付かないうちに冷蔵庫の匂いをまとってしまうこともあります。
冷蔵か冷凍かよりも、
まずはしっかり密閉できているか。
私はそちらの方が気になります。
密閉がしっかりとできていれば、温度は低い方が
長期保存には適しています。
第2位 透明な瓶がおしゃれだから保存にも良いと思っている

これは気持ちがよく分かります。
透明なガラス瓶にコーヒー豆を入れると、とてもおしゃれです。
実際、教室でも
「こんな感じで保存しています」
と写真を見せてもらうことがあります。
おしゃれな瓶に入ったコーヒーが流し台の前に飾ってあったりします。
見た目は本当に素敵なんです。
ただ、コーヒー豆にとっては少し過酷な環境。
光はコーヒー豆の劣化要因のひとつです。
特に直射日光や強い照明の下は避けたいところ。
コーヒー豆からすると、
真夏の海水浴場で一日中日焼けしているようなものかもしれません。
なぜ「見える場所に置く」が正しいと思ってしまうのか
ここで少し面白い話があります。
実は私たち自身が勘違いしやすい環境に囲まれているのです。
コーヒー屋さんへ行くと、
ガラス容器に入った豆がずらりと並んでいます。
中には蛍光灯の真下に置かれていることもあります。
すると自然に、
「コーヒー豆は見える場所に置くものなんだ」
と思ってしまいます。
でもお店と家庭では目的が違います。
お店は豆を売る場所。
見せることも大切な仕事です。
鮮度だけを考えれば隠しておきたいけれど、
それではお客様に魅力が伝わりません。
だから多少不利でも見える場所に置いている場合があります。
家庭では見せる必要はありません。
豆にとって快適なのは、
暗くて涼しい場所です。
お店で見かける光景が、そのまま家庭の正解とは限らないんですね。
第3位 安いから1kg買った方がお得だと思っている
これもよくあります。
セールになっていると、
「どうせ飲むから多めに買おう」
となりますよね。
私も気持ちは分かります。
ただコーヒーは生鮮食品に近い飲み物です。
どれだけ保存を頑張っても、
焙煎したての状態を何カ月も維持することはできません。
1kgを半年かけて飲むより、
200gをこまめに買う方が美味しく飲めることが多いです。
第4位 粉で買っても保存で何とかなると思っている
保存方法の相談を受けるとき、
私が必ず聞くことがあります。
「豆ですか?粉ですか?」
です。
コーヒーは挽いた瞬間から表面積が一気に増えます。
つまり空気に触れる面積も増えます。
どんな高級な保存容器を使っても、
豆のままの状態には勝てません。
もし味を優先するなら、
保存方法を工夫するより
「飲む直前に挽く」
こちらの方が効果は大きいと思います。
第5位 高級保存容器があれば大丈夫だと思っている
最近は本当に便利な保存容器が増えました。
真空タイプや高機能キャニスターなど、
私も見ると欲しくなります。
ただ、どんな保存容器でも劣化は止められません。
保存容器を買う前に、
- 少量で購入する
- 豆のまま購入する
- 早めに飲み切る
こちらを意識する方が味の変化は大きいと思います。
第6位 毎日袋を開けて香りを楽しんでいる
新しい豆を買うとやってしまいます。
実は私もやります(笑)。
袋を開けて、
「うわぁ、いい香り!」
とやりたくなるんです。
ただ、そのたびに酸素が入れ替わります。
なので理論上は鮮度低下につながります。
特に残り少なくなった袋ほど影響を受けやすいです。
ただしご家庭で数回香りを嗅ぐ程度なら影響は小さいです。
香りを確認しているつもりが、
香りを逃がしていることもあるんですね。
第7位 コンロの近くが便利だから置いている
キッチンは便利です。
コーヒーを淹れるのにお湯を沸かすのでなおさら。
ただコンロ周辺は、
・熱
・蒸気
・油
が発生します。
コーヒー豆にとってはあまり快適な環境ではありません。
使いやすさも大切ですが、
できれば少し離れた涼しい場所がおすすめです。
実は一番大切なのは保存方法ではない
ここまで保存方法についてお話してきました。
でもコーヒー教室で最後にお伝えするのはいつも同じです。
「美味しいうちに飲み切ること」
これが結局一番大切です。
冷蔵か冷凍か。
真空か密閉か。
もちろん大事です。
でも、
少量で買う。
豆のまま買う。
美味しいうちに飲む。
実はこれだけで、かなり違います。
コーヒーは保存するためのものではなく、楽しむためのもの。
次に豆を買うときは、保存方法だけでなく購入量にも少し目を向けてみてください。
きっと今よりもっと美味しくコーヒーを楽しめると思います。


●BASE CAMP.An という小さなコーヒー屋さんです
●コーヒーモンスターとしてブログ・ネットショップを運営
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●J.C.Q.A認定 コーヒーインストラクター1級・3級講師●IIAC認定エスプレッソイタリアーノテイスターです。
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