Contents
はじめに
「円すい形と扇形、どちらのドリッパーを選べばいいですか?」
コーヒーの仕事をしている中で、これまで何度も聞かれてきた質問です。
見た目が違うだけと思われがちですが、実はドリッパーの形によってコーヒーの粉の層(濾過層)の深さや、お湯の流れ方が変わり、抽出のしやすさや味づくりにも違いが生まれます。
しかし、「円すい形の方が美味しい」「扇形の方が初心者向けだから優れている」といった単純な話ではありません。
それぞれに特徴があり、目指す味や淹れ方によって向き・不向きがあります。
今回は各メーカーの違いではなく、円すい形と扇形という構造そのものの違いに注目して解説します。
円すい形と扇形、どちらが美味しい?
結論からいうと、どちらが美味しいという答えはありません。
コーヒーの味は、ドリッパーだけでなく、
- コーヒー豆
- 焙煎度
- 挽き目
- ペーパーフィルター
- お湯の温度
- 注ぎ方
など、さまざまな要素が組み合わさって決まります。
そのため、ドリッパーの形だけで優劣を決めることはできません。
一方で、ドリッパーの形によって「お湯の流れ方」や「抽出のコントロールのしやすさ」は大きく変わります。
つまり、ドリッパーは味を決める器具というより、抽出を設計するための器具なのです。
この記事で分かること
この記事では、円すい形と扇形ドリッパーについて、
- 形の違い
- 濾過層(コーヒー粉の層)の違い
- お湯の流れ方の違い
- 抽出スピードの違い
- 注ぎ方のポイント
- 味の傾向
- 初心者にはどちらがおすすめなのか
まで、できるだけ分かりやすく解説します。
また、記事の後半では、実際によく使われているドリッパーや、ペーパーフィルターとの関係についても紹介します。
結論
円すい形と扇形の最大の違いは、「コーヒーの粉の層(濾過層)の深さ」と「抽出スピードのコントロール方法」です。
円すい形は粉の層が深く、お湯とコーヒーが触れ合う距離を確保しやすいため、注ぎ方によって幅広い味づくりができます。
一方、扇形は粉の層は浅いものの、ドリッパーの構造によって抽出速度が比較的安定しやすく、再現性の高いコーヒーを淹れやすいのが特徴です。
「目的によって選ぶ」が正解
どちらが優れているということではなく、
- 自分好みに味を調整したい
- 豆の個性を引き出したい
- 抽出を細かくコントロールしたい
という方には円すい形が向いています。
反対に、
- 毎回できるだけ同じ味で淹れたい
- ハンドドリップを始めたばかり
- 安定した抽出を重視したい
という方には扇形が向いています。
この記事を読めば、それぞれの違いだけでなく、「なぜそのような特徴になるのか」まで理解できるはずです。
それでは、まずは円すい形と扇形の構造の違いから見ていきましょう。
ドリッパーの形が味に影響する理由
「ドリッパーの形が違うだけで、本当にコーヒーの味は変わるの?」
そう疑問に思う方も多いかもしれません。
結論からいうと、ドリッパーの形はコーヒーの味に影響します。
ただし、ドリッパー自体が味を付けているわけではありません。
ドリッパーは、お湯の流れ方やコーヒー粉との接触時間をコントロールし、抽出の仕方を変えることで味に違いを生み出しています。
まずは、その仕組みから見ていきましょう。
コーヒーはどこで抽出されるのか
コーヒーは、お湯がコーヒーの粉の層(濾過層)を通過することで、香りや甘み、酸味、苦味などの成分が溶け出し、抽出されます。
つまり、実際にコーヒーが抽出されているのはドリッパーそのものではなく、コーヒー粉の層(濾過層)です。
ドリッパーは、その濾過層を支え、お湯の流れをコントロールする役割を担っています。
そのため、ドリッパーの形が変わると、コーヒー粉の層の深さや、お湯が通過する距離・流れ方が変わり、抽出の特徴にも違いが生まれます。
ドリッパーは抽出をコントロールする器具
ドリッパーは、「味を変える器具」というよりも、抽出をコントロールする器具と考えると分かりやすいでしょう。
例えば、
- コーヒー粉の層を深くするのか浅くするのか
- お湯をスムーズに流すのか、ゆっくり滞留させるのか
- 注ぎ方の影響を受けやすいのか、安定した抽出になりやすいのか
といった違いは、ドリッパーの形状や構造によって大きく変わります。
今回比較する円すい形と扇形も、この抽出のコントロール方法が大きく異なるため、それぞれに違った特徴があります。
味はドリッパーだけでは決まらない
とはいえ、「ドリッパーを変えれば劇的に味が変わる」というわけではありません。
コーヒーの味は、
- コーヒー豆の品質
- 焙煎度
- 挽き目
- お湯の温度
- 抽出時間
- ペーパーフィルター
- 注ぎ方
など、さまざまな要素が組み合わさって決まります。
ドリッパーは、その中の一つの要素です。
しかし、抽出の安定性や再現性、味づくりの自由度には大きく関わるため、自分が目指す味に合わせて選ぶことが大切です。
なお、ドリッパーには円すい形・扇形以外にも、素材やサイズなどさまざまな違いがあります。
「ハリオとカリタの違い」「陶器と樹脂ドリッパーの違い」「1杯用と2〜4杯用ドリッパーの違い」については、それぞれ別の記事で詳しく解説していますので、興味がある方はぜひご覧ください。
円すい形と扇形の違いとは?
まずは見た目の違い
円すい形と扇形のドリッパーは、名前のとおり形状が大きく異なります。
一見すると見た目の違いだけのように感じますが、この形状の違いがコーヒー粉の層(濾過層)の深さやお湯の流れ方に影響し、それぞれ異なる抽出特性を生み出しています。
まずは、それぞれの形を見てみましょう。
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円すい形の特徴
円すい形は、上部が広く、下に向かって細くなる円すい状の構造をしています。
コーヒー粉を入れると自然と中心に集まりやすく、粉の層(濾過層)が深くなるのが特徴です。
また、抽出口は1つで比較的大きなものが多く、お湯の流れはドリッパーよりも注ぎ方の影響を受けやすい構造になっています。
そのため、注ぎ方によって抽出スピードを調整しやすく、自分好みの味を表現しやすいドリッパーといえるでしょう。
扇形の特徴
扇形は、底が平らに近く、横に広がった形状をしています。
同じ量のコーヒー粉を入れても、円すい形より横方向へ広がるため、粉の層(濾過層)は比較的浅くなります。
また、抽出口は1つ穴や3つ穴などメーカーによって異なりますが、一般的には円すい形より流量を制御しやすい設計が多く、抽出速度が比較的安定しやすいのが特徴です。
そのため、初心者でも毎回近い味を再現しやすいというメリットがあります。
ここまで見ると、「円すい形は粉の層が深い」「扇形は粉の層が浅い」という違いがあることが分かります。
では、この粉の層(濾過層)の深さが、実際の抽出にどのような影響を与えるのでしょうか。
次の章では、コーヒーの味を左右する重要なポイントである「濾過層」について詳しく見ていきます。
最大の違いは「濾過層の深さ」
円すい形と扇形の最も大きな違いは、コーヒー粉の層(濾過層)の深さです。
見た目の違いのように思えますが、この濾過層こそが、お湯の流れ方や抽出効率に大きく関わっています。
円すい形は粉の層が深くなる
円すい形は、下に向かって細くなる構造のため、コーヒー粉が自然と中心へ集まります。
その結果、同じ20gのコーヒー粉を使っても、扇形より濾過層が深くなります。
【図:円すい形の濾過層】

濾過層が深いということは、お湯がコーヒー粉の中を通過する距離を確保しやすいということです。
そのため、お湯とコーヒー粉がしっかり触れ合い、注ぎ方によって抽出時間を調整しやすくなります。
扇形は粉の層が浅くなる
一方、扇形は底が広いため、コーヒー粉が横方向へ広がります。
その結果、同じ量の粉でも濾過層は浅くなります。
【図:扇形の濾過層】

濾過層は浅くなりますが、その分、お湯が均一に広がりやすく、ドリッパーの構造によって抽出速度が比較的安定しやすいという特徴があります。
なぜ濾過層が重要なのか
コーヒーは、お湯がコーヒー粉の層を通過するときに成分が溶け出して抽出されます。
つまり、抽出の主役はドリッパーではなく、コーヒー粉の層(濾過層)です。
濾過層が深くなると、お湯はコーヒー粉の中を通る距離を確保しやすくなり、注ぎ方によって抽出をコントロールしやすくなります。
一方で、濾過層が浅いと、お湯は比較的短い距離で通過しますが、ドリッパー側で流量をコントロールしやすい構造のため、安定した抽出につながりやすくなります。
このように、円すい形と扇形は「どちらが優れているか」ではなく、抽出をコントロールする考え方そのものが異なるのです。
ポイント
- 円すい形は「濾過層を深くすることで抽出をコントロールする」設計
- 扇形は「ドリッパーの構造で抽出を安定させる」設計
目指している方向が違うため、それぞれに異なる魅力があります。
抽出スピードの違い
円すい形と扇形では、抽出スピードの考え方が大きく異なります。
「円すい形は速く落ちる」「扇形はゆっくり落ちる」と説明されることもありますが、実際にはそれほど単純ではありません。
大きな違いは、抽出スピードを誰がコントロールしているのかです。

円すい形は注ぎ方で抽出スピードをコントロールしやすい
円すい形は、比較的大きな1つ穴を採用している製品が多く、ドリッパー自体による流量の制限が少ない構造になっています。
そのため、
- ゆっくり注げばゆっくり抽出できる
- お湯を多く注げば抽出スピードも速くなる
というように、注ぎ方によって抽出速度をコントロールしやすいのが特徴です。
つまり、ドリッパーが抽出を決めるというより、バリスタ(淹れる人)が抽出を設計できるドリッパーといえるでしょう。
その分、注ぎ方によって味が大きく変わるため、自分好みの味を追求したい方に向いています。
扇形はドリッパーが抽出を安定させやすい
一方、扇形は1つ穴や3つ穴などメーカーによって構造は異なりますが、一般的には円すい形より流量をコントロールしやすい設計になっています。
そのため、お湯を少し勢いよく注いでも、ドリッパーの構造によって抽出速度が極端に変化しにくく、比較的安定した抽出になりやすいのが特徴です。
もちろん、お湯を一度に大量に注げば粉がかき混ぜられ、十分な抽出ができなくなることもあります。
しかし、通常のハンドドリップでは、円すい形より再現性の高い抽出になりやすいといえるでしょう。
穴の大きさだけでは決まらない

ここまで読むと、「穴が大きいか小さいか」が抽出スピードを決めているように感じるかもしれません。
しかし、実際にはそれだけではありません。
抽出スピードには、
- ドリッパーのリブ(溝)の高さ
- リブの本数や形状
- ペーパーフィルターの通気性
- フィルターとドリッパーの密着具合
なども大きく影響します。
例えば、同じ円すい形でもリブの設計が違えば、お湯の流れ方は変わります。
また、ペーパーフィルターの素材やクレープ加工によっても抽出速度は変化します。
つまり、ドリッパーの穴だけで抽出スピードは決まらないということです。
ペーパーフィルターによる抽出速度の違いについては、「CAFECペーパーフィルターの違い」を詳しく解説していますので、興味のある方はぜひご覧ください。
ポイント
円すい形と扇形の違いは、「速い・遅い」ではなく、抽出スピードをコントロールする方法が異なることです。
- 円すい形:注ぎ方によって抽出をコントロールしやすい
- 扇形:ドリッパーの構造によって抽出が安定しやすい
どちらが優れているということではなく、目指す味や淹れ方に合わせて選ぶことが大切です。
お湯の注ぎ方の違い
ここまで見てきたように、円すい形と扇形では、コーヒー粉の層(濾過層)の深さや、お湯の流れ方が異なります。
そのため、お湯の注ぎ方にも少し違いがあります。
もちろん「絶対にこの注ぎ方が正解」というものではありませんが、それぞれのドリッパーの特徴を活かすことで、より安定した抽出につながります。
円すい形は中心を意識して注ぐ
円すい形は、コーヒー粉が中心に集まり、濾過層が最も深くなる構造です。
そのため、お湯も中心をメインに注ぐことで、お湯がコーヒー粉の中をしっかり通過しやすくなります。
【図:円すい形の注湯イメージ】

一方で、外側ばかりにお湯を注いでしまうと、粉の層が浅い部分をお湯が通りやすくなり、十分な抽出ができない場合があります。
また、フィルターに直接お湯がかかると、お湯だけが流れ落ちてしまい、コーヒー粉から十分な成分を抽出できない原因にもなります。
中心を意識しながら、必要に応じて少しずつ外側まで広げていくイメージで注ぐとよいでしょう。
扇形は粉全体へ均一に注ぐ
扇形は、コーヒー粉が横方向へ広がるため、円すい形よりも広い範囲に粉が分布しています。
そのため、粉全体に均一にお湯が行き渡ることを意識すると、安定した抽出につながります。
ただし、扇形でもフィルターに直接お湯をかけるのは避けたいところです。
コーヒー粉全体を均一に湿らせるイメージで、お湯をやさしく注ぎましょう。
外側へ注ぎすぎるとどうなる?
ハンドドリップでは、「ドリッパーいっぱいに大きく円を描くように注ぐ」場面を見かけることがあります。
しかし、外側の粉は中心よりも濾過層が浅いため、外側ばかりにお湯を注ぐと、お湯が十分にコーヒー粉と接触しないまま流れ落ちてしまうことがあります。
さらに、フィルターへ直接お湯が当たると、コーヒー粉を通らずにサーバーへ落ちる「バイパス」が起こり、味が薄くなる原因にもなります。
そのため、円すい形・扇形のどちらであっても、基本はコーヒー粉へお湯を注ぐことを意識しましょう。
ポイント
注ぎ方はドリッパーによって多少異なりますが、大切なのは「コーヒー粉から均一に成分を抽出すること」です。
- 円すい形:中心を意識しながら注ぎ、濾過層を活かす
- 扇形:粉全体へ均一にお湯を行き渡らせる
- 共通:フィルターへ直接お湯をかけすぎない
この基本を意識するだけでも、抽出の安定性は大きく向上します。
味の違い(傾向)
ここまで、円すい形と扇形の構造や抽出方法の違いについて解説してきました。
では、実際にコーヒーの味にはどのような違いが現れるのでしょうか。
まず知っておいていただきたいのは、ドリッパーだけで味が決まるわけではないということです。
コーヒーの味は、豆・焙煎度・挽き目・湯温・ペーパーフィルター・注ぎ方など、多くの要素が組み合わさって決まります。
そのため、ここで紹介するのはあくまで構造から見た一般的な傾向としてご覧ください。

円すい形の味の傾向
円すい形は、濾過層が深く、注ぎ方によって抽出をコントロールしやすい構造です。
そのため、
- 甘みやコクを引き出しやすい
- 豆の個性を表現しやすい
- 注ぎ方によって味の変化を楽しめる
といった傾向があります。
自由度が高い反面、抽出方法によって味の違いが大きく現れやすいのも特徴です。
扇形の味の傾向
扇形は、ドリッパーの構造によって抽出が比較的安定しやすい設計です。
そのため、
- バランスの取れた味になりやすい
- 毎回近い味を再現しやすい
- 抽出のブレが少なくなりやすい
といった傾向があります。
「特定の味になる」というよりも、安定した抽出によってコーヒー本来の味わいを再現しやすいと考えると分かりやすいでしょう。
どちらが美味しいというわけではない
「円すい形の方が美味しい」
「扇形の方が初心者向けだから優れている」
そのようなことではありません。
円すい形は、自分で抽出をコントロールしながら味づくりを楽しみたい方に向いています。
一方、扇形は、毎回安定した味を再現したい方や、抽出の再現性を重視する方に向いています。
つまり、どちらが優れているかではなく、どのようなコーヒーを淹れたいかで選ぶことが大切です。
円すい形と扇形の比較
| 円すい形 | 扇形 |
|---|---|
| 濾過層が深い | 濾過層が浅い |
| 注ぎ方で味を調整しやすい | 抽出が安定しやすい |
| 自由度が高い | 再現性が高い |
| 豆の個性を表現しやすい | バランス良く抽出しやすい |
どちらにもそれぞれの魅力があります。
大切なのは、ドリッパーの特徴を理解し、自分の好みや抽出スタイルに合ったものを選ぶことです。
プロはなぜ円すい形を選ぶことが多いの?初心者はどちらがおすすめ?
ここまで読むと、
「プロのバリスタはどちらのドリッパーを使っているの?」
と気になる方も多いでしょう。
近年のコーヒー競技会やスペシャルティコーヒー専門店では、円すい形のドリッパーを採用している場面を多く見かけます。
では、円すい形の方が優れているのでしょうか。
実は、そういうわけではありません。
円すい形が選ばれる理由
円すい形は、ドリッパー自体が流量を大きく制限しないため、注ぎ方によって抽出を細かくコントロールできます。
例えば、
- 甘みをもう少し引き出したい
- 酸味を明るく表現したい
- ボディ感を強くしたい
このような目的に合わせて、お湯の注ぎ方や抽出スピードを調整しやすいのが大きな魅力です。
つまり、コーヒー豆の個性を最大限に引き出しやすいという点が、多くのプロに選ばれる理由の一つです。
扇形にも大きなメリットがある
一方で、扇形には円すい形にはない魅力があります。
ドリッパーの構造によって抽出が比較的安定しやすく、毎回近い味を再現しやすいことです。
特に、
- お店で毎日同じ品質を提供したい
- スタッフが変わっても味を揃えたい
- 安定した抽出を重視したい
このような場面では、扇形のメリットは非常に大きくなります。
そのため、喫茶店やカフェでは現在でも扇形ドリッパーを使用しているお店は数多くあります。
目的によって最適なドリッパーは変わる
円すい形は「自由度」が高く、扇形は「再現性」が高い。
どちらにも明確なメリットがあります。
そのため、
「プロが使っているから円すい形が一番」
という考え方ではなく、
どのようなコーヒーを淹れたいのか
という目的に合わせて選ぶことが大切です。
私の考え
私自身も、円すい形・扇形のどちらも使用します。
豆の特徴や目指す味によって使い分けることもありますし、その日の気分で選ぶこともあります。
どちらにも良さがあるからこそ、優劣を決めるものではなく、それぞれの特徴を理解して使い分けることが、ハンドドリップをより楽しむポイントだと思います。
ドリッパーだけでは味は決まらない
ここまで、円すい形と扇形の違いについて解説してきました。
しかし、コーヒーの味を決めるのはドリッパーだけではありません。
コーヒーはさまざまな要素が組み合わって、一杯の味が完成します。
つまり、ドリッパーは数ある要素の一つであり、豆や焙煎度、水、注ぎ方なども同じくらい大切です。
リブ(溝)の形状
同じ円すい形でも、メーカーによってリブ(溝)の高さや本数、長さは異なります。
リブはペーパーフィルターとドリッパーの間に空気の通り道を作り、お湯の流れ方に大きく影響します。
そのため、同じ円すい形でも抽出スピードや味わいが変わることがあります。
ペーパーフィルター
ドリッパーと同じくらい重要なのが、ペーパーフィルターです。
紙の厚さやクレープ加工(しわ)、通気性などによって、お湯の流れ方は大きく変化します。
例えば、CAFECでは抽出速度まで考えて設計されたペーパーフィルターが販売されており、同じドリッパーでも味の印象が変わることがあります。
詳しくは「CAFECペーパーフィルターの違い」の記事をご覧ください。
ドリッパーの素材
陶器・ガラス・樹脂・金属など、ドリッパーにはさまざまな素材があります。
保温性や扱いやすさ、重量などが異なるため、使用感にも違いがあります。
素材ごとの違いは「陶器と樹脂ドリッパーの違い」で詳しく解説しています。
ドリッパーのサイズ
1〜2杯用と2〜4杯用では、同じドリッパーでも粉の層の深さが変わります。
抽出する量によって最適なサイズを選ぶことで、より安定した抽出ができます。
詳しくは「1杯用と2〜4杯用ドリッパーの違い」をご覧ください。
水も味を大きく左右する
コーヒーは約98〜99%が水です。
そのため、水の硬度やミネラルバランスによっても味わいは大きく変化します。
最近では、ミネラルを調整した「カスタムウォーター」を使用するバリスタも増えています。
水について詳しく知りたい方は、「コーヒー用カスタムウォーター」の記事もおすすめです。
コーヒーは「組み合わせ」で楽しむもの
「円すい形だから美味しい」
「扇形だから美味しい」
ということではありません。
コーヒーは、
- コーヒー豆
- 焙煎度
- 挽き目
- ドリッパー
- ペーパーフィルター
- 水
- 注ぎ方
これらすべてが組み合わって、一杯の味が決まります。
だからこそ、一つひとつの特徴を理解しながら、自分好みの組み合わせを見つけることが、ハンドドリップの楽しさでもあります。
よくある質問(FAQ)
Q. 円すい形と扇形はどちらが美味しいですか?
どちらが美味しいということはありません。
円すい形は注ぎ方によって抽出をコントロールしやすく、豆の個性を表現しやすい傾向があります。
一方、扇形は抽出が比較的安定しやすく、毎回近い味を再現しやすいのが特徴です。
大切なのは「どちらが優れているか」ではなく、「どんなコーヒーを淹れたいか」で選ぶことです。
Q. 初心者には円すい形と扇形のどちらがおすすめですか?
初心者の方には、抽出が比較的安定しやすい扇形がおすすめです。
一方で、ハンドドリップを楽しみながら抽出を工夫したい方や、豆の個性をより引き出したい方には円すい形もおすすめです。
最終的には、自分が目指す味や楽しみ方に合わせて選ぶのが良いでしょう。
Q. プロは円すい形しか使わないのですか?
いいえ。
近年のコーヒー競技会では円すい形を使用する場面が多く見られますが、喫茶店やカフェでは現在でも扇形ドリッパーを使用しているお店は数多くあります。
プロも、豆の特徴や目指す味、提供スタイルに合わせて使い分けています。
Q. ドリッパーを変えるだけで味は大きく変わりますか?
味の変化はありますが、ドリッパーだけで決まるわけではありません。
コーヒー豆、焙煎度、挽き目、お湯の温度、ペーパーフィルター、水、注ぎ方など、さまざまな要素が組み合わさって一杯の味が決まります。
ドリッパーは、その中の一つの重要な要素です。
Q. 円すい形と扇形でペーパーフィルターは共通で使えますか?
基本的には使用できません。
円すい形には円すい形専用、扇形には扇形専用のペーパーフィルターを使用します。
それぞれ形状が異なるため、適切なフィルターを使用することで、本来の抽出性能を発揮できます。
また、同じ形状のフィルターでも、メーカーや製品によって紙の厚さや通気性、クレープ加工などが異なり、抽出スピードや味わいに影響することがあります。
まとめ
円すい形と扇形のドリッパーには、それぞれ異なる特徴があります。
円すい形は、コーヒー粉の層(濾過層)が深くなり、注ぎ方によって抽出をコントロールしやすいのが特徴です。
一方、扇形は、抽出が比較的安定しやすく、毎回近い味を再現しやすいという魅力があります。
どちらが優れているということではなく、目指す味やハンドドリップの楽しみ方によって向き・不向きが変わると考えるのがよいでしょう。
最後に、この記事のポイントをまとめます。
円すい形ドリッパー
- コーヒー粉の層(濾過層)が深くなりやすい
- 注ぎ方によって抽出をコントロールしやすい
- 豆の個性や味づくりを楽しみたい方に向いている
| 三洋産業 CAFEC トライタンフラワードリッパー CUP1 1杯用 ブラック TFD-1BK |
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| HARIO V60 ドリッパー NEO 02 1-4杯用 ブラック VDN-02-B |
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|
| KONO 名門ドリッパー4人用 ブラック MD-41BK |
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扇形ドリッパー
- コーヒー粉の層(濾過層)は比較的浅くなる
- 抽出が安定しやすく、再現性を高めやすい
- 毎回近い味で淹れたい方に向いている
| 三洋 CAFEC トライタン 台形 フラワードリッパーオーバル クリアブラック 101 1-2杯用 FDO-101CB |
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| 三洋 CAFEC 有田焼 扇形ドリッパー 1〜2杯用 ホワイト G-101W 磁器製 |
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| カリタ 102-ロト(ブラウン)ドリッパー 102-ロトブラウン |
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ハンドドリップには、「これが正解」という淹れ方はありません。
ドリッパーだけでなく、コーヒー豆や焙煎度、挽き目、ペーパーフィルター、水、そして注ぎ方など、さまざまな要素が組み合わさって一杯の味が生まれます。
だからこそ、円すい形・扇形それぞれの特徴を理解し、自分が目指す味や楽しみ方に合わせて使い分けることが、より美味しいコーヒーへの近道です。
ぜひ、ご自身に合ったドリッパーを見つけて、ハンドドリップの奥深さを楽しんでみてください。


- ▶︎BASE CAMP.An という小さなコーヒー屋さんです
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