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コーヒー

コーヒーの等級(グレード)を徹底解説|AA・SHB・No.2・Grade1の違いと見方【保存版】

Contents

まずは30秒で分かる!この記事の結論

コーヒー豆の袋に書かれた「AA」「SHB」「Grade1」「No.2」などの表示は、美味しさランキングではありません。

これらは、生豆を品質管理するための等級(グレード)です。

そして、この等級の基準は世界共通ではなく、国ごとに異なります。

この記事では、

  • 等級とは何か
  • AA・SHB・Grade1・No.2の違い
  • なぜ国によって評価方法が違うのか
  • 世界の等級制度の仕組み
  • 本当に美味しいコーヒーを見分けるポイント

を、初心者にも分かりやすく解説します。

この記事を読むと分かること

  • コーヒー等級(グレード)の基本が分かる
  • AA・SHB・Grade1・No.2の意味が分かる
  • 国ごとの評価基準の違いが理解できる
  • 等級だけでは美味しさが決まらない理由が分かる
  • コーヒー豆を選ぶときの見方が分かる

この記事のポイント

等級は「品質管理の基準」。

カッピングは「美味しさの評価」。

この2つの違いを知るだけで、コーヒー選びがもっと楽しくなります。


コーヒーの等級(グレード)とは?

はじめに

コーヒー豆の袋を見ると、

  • AA
  • SHB
  • Supremo
  • Grade1
  • No.2

など、アルファベットや数字が書かれていることがあります。

「AAだから高級なの?」

「SHBって何?」

「Grade1が一番美味しいの?」

そんな疑問を持ったことはありませんか?

実は、これらはすべてコーヒーの等級(グレード)を表しています。

しかし、多くの人が勘違いしているように、等級は美味しさを順位付けしたものではありません。

国によって評価基準は異なり、

  • 豆の大きさ
  • 栽培標高
  • 欠点豆の数

など、それぞれ違う基準で品質が分類されています。

この記事では、世界の代表的な等級制度を比較しながら、それぞれの意味や違いを分かりやすく解説します。

この記事を読み終える頃には、コーヒー豆の袋に書かれた等級を見て、その意味を理解できるようになるはずです。

この章のポイント___________

  • コーヒーの等級(グレード)は、生豆を一定の基準で分類するための品質管理システム
  • 等級は「美味しさランキング」ではなく、「品質を分類するための基準」
  • 評価基準は世界共通ではなく、国によって大きく異なる
  • 等級の意味を理解すると、コーヒー選びがもっと楽しくなる

コーヒー豆の袋を見ると、

  • AA
  • SHB
  • Supremo
  • Grade1
  • No.2

など、アルファベットや数字が書かれていることがあります。

「なんとなく高級そう」「AAだから美味しいのかな?」

そう思ったことがある方も多いのではないでしょうか。

しかし実は、これらはコーヒーの美味しさを順位付けしたものではありません。

これらはすべて、生豆を一定の基準で分類するための「等級(グレード)」です。

まずは、等級とは何なのか、そしてなぜ国によって表示が異なるのかを見ていきましょう。


等級とは何を表しているの?

コーヒーの等級(グレード)とは、生豆を品質ごとに分類するための基準です。

生産されたコーヒーは輸出される前に検査され、

  • 豆の大きさ
  • 栽培された標高
  • 欠点豆の数
  • 豆の密度
  • その国独自の品質基準

などをもとに等級が付けられます。

つまり等級は、生産者・輸出業者・焙煎業者が品質を共通の基準で管理するための仕組みです。

例えば、

「AAを100袋注文する」

「SHBだけを仕入れたい」

といった取引ができるのも、この等級制度があるからです。

等級は「品質を分類する仕組み」

ここでいう「品質」とは、生豆の状態を指します。

豆が大きいか、小さいか。

欠点豆がどれくらい混ざっているか。

どの標高で栽培されたか。

こうした客観的な基準によって分類されるため、等級は品質管理や流通の現場で重要な役割を果たしています。

等級は「美味しさランキング」ではない

ここで最も知っておきたいのが、

等級=美味しさランキングではない

ということです。

例えば、

  • AAだから必ず美味しい
  • SHBだから最高品質
  • Grade1だから世界一美味しい

という意味ではありません。

高い等級ほど品質管理がしっかり行われている傾向はありますが、実際の味はそれだけでは決まりません。

コーヒーの味は、

  • 品種
  • 精製方法
  • 焙煎
  • 鮮度
  • 抽出方法

など、さまざまな要素が組み合わさって決まります。

そのため、等級は「美味しさ」ではなく、生豆の品質を分類した結果と考えると理解しやすいでしょう。

国ごとに基準が違う

さらに覚えておきたいのが、等級の基準は世界共通ではないということです。

例えば、

  • ケニアの「AA」は豆の大きさ
  • グァテマラの「SHB」は栽培標高
  • エチオピアの「Grade1」は欠点豆の少なさ
  • ブラジルの「No.2」は欠点豆を中心とした総合評価

というように、同じ「高グレード」でも評価している内容はまったく異なります。

つまり、「AAとSHBではどちらが上?」という比較はできません。

まずは「国によって評価方法が違う」ということを理解することが、コーヒーの等級を知る第一歩です。


なぜ世界共通の基準ではないの?

「品質を表すなら、世界共通の基準にすれば分かりやすいのでは?」

そう思うかもしれません。

しかし、コーヒーは世界60か国以上で生産されており、気候や地形、生産体制、輸出の歴史が大きく異なります。

そのため、それぞれの国が自国に合った品質管理の方法を発展させてきました。

気候が違う

コーヒーが育つ環境は国によってさまざまです。

昼夜の寒暖差が大きい山岳地帯もあれば、一年を通して温暖な地域もあります。

こうした違いは豆の成熟や大きさ、欠点豆の発生率にも影響するため、重視される評価基準も変わってきます。

地形が違う

中米には標高2,000m近い山岳地帯で栽培される国が多くあります。

標高が高いほど気温が低く、コーヒーチェリーはゆっくりと成熟します。

その結果、密度が高く引き締まった豆になりやすいため、「どの標高で栽培されたか」を等級の基準に採用する国が生まれました。

栽培方法が違う

国によって栽培方法も異なります。

広大な農園で機械収穫を行う国もあれば、小規模農家が完熟した実だけを一粒ずつ手摘みする国もあります。

このような違いは、生豆の品質管理にも大きく影響し、それぞれの等級制度にも反映されています。

輸出の歴史が違う

コーヒーは古くから世界中へ輸出されてきました。

輸出先の市場によって求められる品質が異なったため、各国は独自の品質基準を整備していきました。

例えば、大粒の豆が好まれる市場ではスクリーンサイズが重視され、欠点豆の少なさが重要視される市場では、欠点豆を細かく評価する制度が発展しました。

国ごとに品質管理の考え方が違う

このように、各国にはそれぞれ異なる栽培環境や歴史があります。

そのため、

「何を基準に品質を評価するか」

という考え方も国ごとに異なります。

その結果、

  • 豆の大きさで評価する国
  • 栽培標高で評価する国
  • 欠点豆の数で評価する国
  • 複数の基準を組み合わせる国
  • 独自の等級制度を採用する国

など、多様な等級制度が生まれました。

次章では、世界のコーヒー等級を5つの評価方法に分類し、それぞれの特徴を一覧表でわかりやすく整理していきます。

ここまでのポイント

  • コーヒーの等級は、生豆を品質管理するための基準
  • 等級は美味しさランキングではない
  • 国によって評価方法は異なる
  • この違いを知ることで、コーヒー選びがもっと楽しくなる

コーヒーの等級は大きく5種類ある

この章のポイント___________

  • コーヒーの等級は世界共通ではない
  • 評価方法は大きく5種類に分類できる
  • 国によって重視する品質基準が異なる
  • この5つを理解すると、各国の等級制度が分かりやすくなる

第1章で解説したように、コーヒーの等級は国によって評価基準が異なります。

そのため、AA・SHB・Grade1・No.2といった表示を見ても、それぞれ何を意味しているのかは国によって異なります。

一見すると複雑に思えますが、実は世界の等級制度は大きく5つの評価方法に分類できます。

まずは一覧表で見てみましょう。

評価方法 主な評価基準 採用している代表国
スクリーンサイズ 豆の大きさ コロンビア・タンザニア・ケニアなど
標高 栽培された標高 グァテマラ・ホンジュラス・コスタリカなど
欠点豆 欠点豆の数 エチオピア・インドネシア
スクリーンサイズ+欠点豆 豆の大きさと欠点豆を組み合わせて評価 ブラジル・ジャマイカ
独自規格 国独自の基準 イエメン

それでは、それぞれの特徴を簡単に見ていきましょう。

スクリーンサイズで評価する国

スクリーンサイズとは、生豆の大きさを表す基準です。

一定サイズ以上の豆だけを選別し、大粒の豆ほど高い等級として扱われます。

代表的な国は、

  • コロンビア
  • タンザニア
  • ケニア

などです。

ただし、「大粒だから必ず美味しい」という意味ではありません。

なぜ大粒が評価されるようになったのかは、第3章で詳しく解説します。

標高で評価する国

中米には、栽培された標高によって等級を決める国があります。

標高が高いほど気温が低く、コーヒーチェリーはゆっくり成熟します。

そのため、密度が高く品質の高い豆になりやすいと考えられています。

代表的な国は、

  • グァテマラ
  • ホンジュラス
  • コスタリカ
  • メキシコ

などです。

こちらも「高地=必ず美味しい」というわけではなく、その理由について第4章で詳しく紹介します。

欠点豆の数で評価する国

豆の大きさではなく、品質そのものを重視する国もあります。

黒豆や虫食い豆、未熟豆などの欠点豆が少ないほど、高い等級になります。

代表的な国は、

  • エチオピア
  • インドネシア

です。

欠点豆はコーヒーの風味に大きな影響を与えるため、品質管理の重要な指標として利用されています。

詳しくは第5章で解説します。

スクリーンサイズと欠点豆を組み合わせる国

ブラジルなどでは、

  • 豆の大きさ
  • 欠点豆の数

の両方を組み合わせて品質を評価しています。

大粒であっても欠点豆が多ければ高品質とは言えません。

逆に、欠点豆が少なくてもサイズが揃っていなければ評価は下がります。

このように複数の基準を組み合わせることで、より実用的な品質管理を行っています。

詳しくは第6章で紹介します。

独自の等級制度を採用している国

世界には、どの分類にも当てはまらない独自の等級制度を採用している国もあります。

代表例がイエメンです。

イエメンでは長いコーヒー栽培の歴史を背景に、独自の品質基準が現在でも使われています。

他国とは異なる考え方を持つため、知っておくとコーヒーの世界がさらに面白く感じられるでしょう。

こちらは第7章で詳しく解説します。

コラムなぜ国ごとに評価方法が違うの?

答えは、

その国の自然環境やコーヒー産業の歴史が違うからです。

例えば、

  • 山岳地帯が多い中米では「標高」が品質を左右します。
  • 広大な農園が広がるブラジルでは「大量生産に適した品質管理」が必要です。
  • 小規模農家が多いエチオピアでは「欠点豆の管理」が重要になります。

つまり、等級制度は単なる品質評価ではなく、

その国の気候・地形・栽培方法・輸出の歴史から生まれた仕組みなのです。


ここまでのポイント

  • 世界のコーヒー等級は、大きく5種類の評価方法に分類できる
  • 国によって重視する品質基準は異なる
  • 同じ「高グレード」でも評価している内容はまったく違う
  • 次章からは、それぞれの評価方法を国ごとに詳しく見ていこう

スクリーンサイズ(豆の大きさ)で評価する国

この章のポイント___________

  • スクリーンサイズとは、生豆の大きさを表す基準
  • 数字が大きいほど、大粒の豆を意味する
  • 昔から品質管理しやすいことから、多くの国で採用されてきた
  • ただし、大粒だからといって必ず美味しいわけではない

世界のコーヒー生産国の中には、生豆の大きさを基準に等級を決めている国があります。

代表的なのが、

  • コロンビア
  • ケニア
  • タンザニア

です。

袋に書かれている「AA」や「Supremo」は、このスクリーンサイズによる等級を表しています。

では、スクリーンサイズとはどのような基準なのでしょうか。


スクリーンサイズとは?

スクリーンサイズとは、生豆の大きさを表す規格です。

収穫されたコーヒー豆は、丸い穴が一定間隔で開いた金属製のふるい(スクリーン)に通されます。

穴より小さい豆は下へ落ち、大きな豆だけが残ります。

このようにして豆のサイズを揃え、それぞれの等級に分類しています。

スクリーンサイズの見方

スクリーンサイズは「15」「16」「17」「18」などの数字で表されます。

この数字は、穴の直径が何分の1インチかを示しています。

例えば、

  • スクリーン15=15/64インチ
  • スクリーン17=17/64インチ
  • スクリーン18=18/64インチ

という意味です。

数字が大きいほど穴が大きく、より大粒のコーヒー豆だけが残ります。

そのため、多くの生産国では大粒の豆ほど高い等級として扱われています。


なぜ大粒の豆が高評価なの?

「大きいだけで高評価になるの?」

そう疑問に思う方もいるでしょう。

実は、スクリーンサイズが評価基準として採用されたのには、品質管理の面でいくつか理由があります。

昔から品質管理しやすかった

現在のようなカッピング技術が普及する以前は、短時間で大量の生豆を評価する必要がありました。

豆の大きさは、誰が測っても同じ結果になる客観的な基準です。

そのため、生産者や輸出業者の間で品質を揃える方法として広く利用されるようになりました。

大粒の豆は成熟しやすい

一般的に、大粒の豆は十分に成熟して育ったものが多いと考えられています。

成熟したコーヒーチェリーは栄養をしっかり蓄え、豆も大きく育ちやすくなります。

もちろん例外はありますが、「大粒=成熟している可能性が高い」という考え方から、高い評価につながってきました。

焙煎しやすい

サイズが揃った豆は、焙煎時に熱が均一に伝わります。

大小さまざまな豆が混ざっていると、小さな豆は焼け過ぎ、大きな豆は焼き不足になることがあります。

サイズを揃えることで、焙煎ムラを減らしやすくなるため、多くのロースターが重視しています。

見た目が良い

大粒で均一に揃った生豆は見た目にも美しく、高品質な印象を与えます。

特に輸出市場では、品質を判断する一つの目安として大きさが重視されてきました。

しかし、大粒=美味しいではない

ここで重要なのが、

大粒だから美味しいとは限らない

ということです。

現在では、コーヒーの品質はカッピング(味の評価)によって判断されるのが一般的です。

小粒でも甘みや香りが豊かなコーヒーは数多く存在します。

逆に、大粒でも風味に個性が乏しいコーヒーもあります。

つまり、スクリーンサイズは品質管理のための基準であり、美味しさを決めるものではありません。


スクリーンサイズを採用している国

スクリーンサイズを採用している国でも、等級の呼び方はそれぞれ異なります。

ここでは代表的な国を見ていきましょう。

コロンビア

代表グレード

  • Supremo
  • Excelso
  • UGQ

コロンビアでは、大粒のSupremo(スプレモ)が最も代表的な等級です。

一方、Excelso(エクセルソ)はSupremoよりやや小粒ですが、味の優劣を表すものではありません。

サイズが違うだけで、どちらも高品質なコーヒーとして世界中で流通しています。

なぜコロンビアはスクリーンサイズなのか?

コロンビアは世界有数のコーヒー輸出国です。

大量の生豆を効率よく選別・輸出するため、客観的で分かりやすいスクリーンサイズによる品質管理が発展しました。


タンザニア

代表グレード

  • AA
  • A
  • AB
  • PB
  • C

タンザニアでは、「AA」が最も有名な等級です。

AAは大粒の豆を表し、日本でも高級コーヒーとして知られています。

また、「PB(ピーベリー)」は通常2粒入るコーヒーチェリーの中に、1粒だけ丸く育った希少な豆を指します。

なぜAAなのか?

タンザニアでは輸出品質を分かりやすく示すため、サイズごとにアルファベットを用いた等級制度が採用されました。


ケニア

代表グレード

  • E
  • AA
  • AB
  • PB
  • C

ケニアもスクリーンサイズによる等級制度を採用しています。

1番大きいものが「E」、その次が「AA」です。

ケニア産コーヒーは品質管理が非常に厳しく、サイズだけでなく、その後のオークションやカッピングでも高く評価されています。

タンザニアとの違い

タンザニアと同じ「AA」という表記でも、両国で等級の細かな基準は異なります。

そのため、「AA」という表示だけで品質を比較することはできません。


その他の国

スクリーンサイズを採用している代表的な国には、次のような生産国もあります。

  • ウガンダ
  • ジンバブエ
  • パプアニューギニア
  • インド

それぞれ等級の名称や基準は異なりますが、基本的な考え方は「豆の大きさで分類する」という点で共通しています。


ここまでのポイント

  • スクリーンサイズは生豆の大きさを表す規格
  • 数字が大きいほど大粒の豆を意味する
  • 大粒の豆は品質管理や焙煎のしやすさから高く評価されてきた
  • しかし、大粒だから必ず美味しいわけではない
  • 同じスクリーンサイズ方式でも、国によって等級の名称や基準は異なる

 

標高(栽培高度)で評価する国

この章のポイント___________

  • 中米では栽培標高によって等級を決める国が多い
  • 標高が高いほど豆はゆっくり成熟しやすい
  • 密度の高い「ハードビーン」になりやすく、品質が高いとされる
  • ただし、高地だから必ず美味しいわけではない

スクリーンサイズで評価する国がある一方、中米には栽培された標高によって等級を決める国があります。

代表的なのが、

  • グァテマラ
  • ホンジュラス
  • コスタリカ
  • メキシコ

です。

これらの国では、

  • SHB(Strictly Hard Bean)
  • SHG(Strictly High Grown)

などの等級表示を目にすることがあります。

では、なぜ標高が品質の基準として使われているのでしょうか。


なぜ標高が高いほど高評価なの?

標高が高いコーヒーは、高品質になりやすいと考えられています。

その理由を順番に見ていきましょう。

昼夜の寒暖差が大きい

標高が高くなるほど気温は低くなり、昼夜の寒暖差も大きくなります。

コーヒーチェリーは急いで成熟するのではなく、時間をかけてゆっくりと実を育てます。

この「ゆっくり育つこと」が、高品質なコーヒーにつながる第一歩です。

糖分や風味成分が蓄積しやすい

成熟に時間がかかることで、チェリーの中には糖分や風味成分がゆっくり蓄積されます。

その結果、

  • 甘み
  • 酸味
  • 香り

などが豊かなコーヒーになりやすいと考えられています。

もちろん、品種や精製方法などの影響もありますが、高地栽培は品質を高める大きな要因の一つです。

豆の密度が高くなる

ゆっくり成熟した豆は、内部がぎっしり詰まった硬い豆になります。

これをハードビーン(Hard Bean)と呼びます。

密度が高い豆は焙煎時にも熱がゆっくり伝わるため、風味を引き出しやすいとされています。

そのため、ロースターにも人気があります。

急斜面で栽培されることが多い

高品質なコーヒーが育つ高地は、急斜面であることが少なくありません。

そのため、大型機械を使った収穫が難しく、多くの農園では現在でも手摘みで収穫されています。

完熟した実だけを収穫しやすい

手摘み収穫では、赤く完熟したチェリーだけを選んで収穫できます。

未熟な実を減らせるため、品質の向上につながります。

生産量が少ない

高地では栽培できる面積が限られます。

さらに収穫にも手間がかかるため、生産量は平地より少なくなる傾向があります。

希少性の高さも、高品質なイメージにつながる理由の一つです。

ただし、高地=必ず美味しいではない

ここまで見ると、

「高い山で育ったコーヒーなら全部美味しい」

と思うかもしれません。

しかし、実際はそうではありません。

コーヒーの品質は、

  • 品種
  • 土壌
  • 精製方法
  • 乾燥
  • 保管
  • 焙煎

など、多くの要素が組み合わさって決まります。

標高は品質を左右する重要な条件ですが、美味しさを決める唯一の基準ではありません。


標高で評価する国

ここでは代表的な生産国を紹介します。

グァテマラ

代表グレード

  • SHB(Strictly Hard Bean)
  • HB(Hard Bean)
  • SH(Semi Hard)

グァテマラでは栽培標高によって等級が決まります。

一般的に標高が高いほど高品質な豆になりやすく、最も高い等級がSHBです。

なぜグァテマラは標高なのか?

グァテマラは火山地帯が多く、高地栽培に適した環境が広がっています。

標高による品質差が大きいため、栽培高度を品質管理の基準として採用しています。


ホンジュラス

代表グレード

  • SHG(Strictly High Grown)
  • HG(High Grown)
  • CS(Central Standard)

ホンジュラスでも、栽培標高による等級制度が採用されています。

SHGは高地栽培を意味し、高品質なコーヒーとして評価されています。

なぜホンジュラスは標高なのか?

ホンジュラスは山岳地帯が多く、標高差によって品質に大きな違いが生まれます。

そのため、標高を品質管理の指標としています。


コスタリカ

コスタリカでも標高による品質区分が採用されています。

高地で栽培されたコーヒーは酸味や甘みのバランスが良く、世界中で高く評価されています。


メキシコ

メキシコも標高を重視する生産国の一つです。

南部の高地では、高品質なアラビカ種が多く栽培されています。

標高を品質管理の基準とすることで、安定した品質を維持しています。


ここまでのポイント

  • 中米では栽培標高による等級制度が広く採用されている
  • 高地ではコーヒーがゆっくり成熟しやすい
  • 密度の高いハードビーンになりやすく、品質が高いとされる
  • SHBやSHGは高地栽培を表す代表的な等級
  • ただし、高地だから必ず美味しいとは限らない

欠点豆の数で評価する国

この章のポイント___________

  • 欠点豆とは、品質に悪影響を与える生豆のこと
  • 欠点豆が少ないほど高い等級になる
  • 欠点豆は雑味や異臭の原因になる
  • エチオピアやインドネシアでは欠点豆の数で等級を決めている

スクリーンサイズや標高ではなく、欠点豆の数を基準に品質を評価する国もあります。

代表的なのが、

  • エチオピア
  • インドネシア

です。

これらの国では、生豆に含まれる欠点豆の数が少ないほど、高い等級として評価されます。

では、欠点豆とはどのような豆なのでしょうか。


欠点豆とは?

欠点豆とは、品質や風味に悪影響を与える生豆のことです。

収穫や精製、乾燥などの工程で生じた異常のある豆をまとめて「欠点豆」と呼びます。

代表的な欠点豆を見てみましょう。

黒豆(ブラックビーン)

黒く変色した豆です。

過熟や発酵異常などが原因で発生し、強い苦味や焦げたような風味、えぐみの原因になることがあります。

虫食い豆

コーヒーノミキクイムシなどの害虫によって穴が開いた豆です。

風味が弱くなるだけでなく、雑味や不快な香りにつながる場合があります。

発酵豆

精製工程で過発酵した豆です。

発酵臭やアルコールのような異臭、腐敗臭などが感じられる原因になります。

未熟豆

十分に成熟する前に収穫された豆です。

密度が低く、青臭さや渋み、植物のような風味が出やすくなります。


なぜ欠点豆が少ないほど高評価なの?

欠点豆が少ないほど品質が高く評価される理由は、とてもシンプルです。

欠点豆はコーヒーの味を大きく損なうからです。

雑味の原因になる

欠点豆には正常な豆とは異なる成分が含まれていることがあります。

そのため、飲んだときに雑味やえぐみ、渋みとして感じられることがあります。

カビ臭の原因になる

乾燥不足や保存状態が悪い豆では、カビが発生することがあります。

カビ臭は少量でもコーヒー全体の印象を大きく損ねてしまいます。

発酵臭の原因になる

発酵工程が適切でない場合、過剰な発酵によって異臭が発生することがあります。

本来のフルーティーな香りではなく、不快な発酵臭や腐敗臭として感じられる場合があります。

青臭さの原因になる

未熟豆には糖分が十分に蓄積されていません。

そのため、草のような青臭さや渋みが残りやすくなります。

一粒でも味に影響することがある

欠点豆は数粒混ざるだけでも、カップ全体の印象を変えてしまうことがあります。

そのため、スペシャルティコーヒーではハンドピックによって欠点豆を丁寧に取り除く作業が行われています。


欠点豆で評価する国

エチオピア

代表グレード

  • Grade 1
  • Grade 2
  • Grade 3
  • Grade 4
  • Grade 5

エチオピアでは、生豆に含まれる欠点豆の数をもとに等級が決められています。

一般的にGrade1が最も欠点豆が少なく、高品質とされています。

なぜエチオピアは欠点豆なのか?

エチオピアはコーヒー発祥の地として知られ、小規模農家による生産が中心です。

品種や栽培環境が非常に多様なため、豆の大きさよりも欠点豆の少なさを品質管理の基準として重視しています。


インドネシア

代表グレード

  • Grade 1
  • Grade 2
  • Grade 3
  • Grade 4
  • Grade 5
  • Grade 6

インドネシアでも、欠点豆の数を基準とした等級制度が採用されています。

Grade1ほど欠点豆が少なく、高品質と評価されます。

なぜインドネシアは欠点豆なのか?

インドネシアでは、スマトラ式(ウェットハル)など独自の精製方法が多く採用されています。

産地によって豆の大きさにばらつきがあるため、サイズよりも欠点豆の管理を重視した品質評価が発展しました。


ここまでのポイント

  • 欠点豆とは、品質に悪影響を与える生豆のこと
  • 黒豆・虫食い豆・発酵豆・未熟豆など、さまざまな種類がある
  • 欠点豆は雑味や異臭の原因になる
  • エチオピアやインドネシアでは、欠点豆の数によって等級が決められている
  • ただし、最終的な美味しさはカッピングによって評価される

 

 

スクリーンサイズと欠点豆を組み合わせて評価する国

この章のポイント___________

  • 豆の大きさだけでは品質は判断できない
  • 欠点豆の数だけでも品質は判断できない
  • ブラジルやジャマイカでは複数の基準を組み合わせて評価している
  • より実用的な品質管理方法として世界中で広く利用されている

ここまで、

  • 豆の大きさ(スクリーンサイズ)
  • 栽培標高
  • 欠点豆

による等級制度を紹介してきました。

しかし、中には複数の基準を組み合わせて品質を評価する国もあります。

代表的なのが、

  • ブラジル
  • ジャマイカ

です。

これらの国では、豆の大きさだけでなく、欠点豆の数も合わせて評価することで、より実際の品質に近い等級制度を採用しています。


なぜ両方を見る必要があるの?

「スクリーンサイズだけではダメなの?」

「欠点豆だけ見れば十分では?」

そう思う方もいるかもしれません。

実は、どちらか一方だけでは品質を正しく判断できないためです。

サイズだけでは品質は分からない

例えば、大粒の豆だったとしても、

  • 虫食い豆
  • 発酵豆
  • 未熟豆

が多く混ざっていれば、高品質とは言えません。

見た目は立派でも、味には悪影響が出てしまいます。

欠点豆だけでも品質は分からない

反対に、欠点豆がほとんど無くても、

小粒の豆ばかりでは焙煎ムラが起きやすく、商品としての品質が安定しないことがあります。

また、輸出用としてサイズを揃えることも重要になります。

だから両方を見る

そこで、

  • 豆の大きさ
  • 欠点豆の数

の両方を評価することで、より実用的な品質管理ができるようになりました。

この方法なら、

「サイズは揃っているか」

「欠点豆は少ないか」

を同時に確認できるため、生豆の品質をより正確に評価できます。


スクリーンサイズと欠点豆で評価する国

ブラジル

代表グレード

  • No.2
  • No.3
  • No.4
  • No.5y
  • No.6
  • No.7
  • No.8

代表サイズ

  • S17/18
  • S16
  • S15

ブラジルでは、

No.○ が欠点豆の数を表し、

S17/18 のような表示がスクリーンサイズを表します。

例えば、

No.2 S17/18

と書かれていれば、

  • 欠点豆が非常に少ない
  • 大粒の豆でサイズが揃っている

ことを意味します。

なぜブラジルはこの方式なのか?

ブラジルは世界最大のコーヒー生産国です。

大量のコーヒーを安定した品質で輸出するためには、

  • サイズの均一性
  • 欠点豆の管理

の両方が重要になります。

そのため、2つの基準を組み合わせた等級制度が発展しました。

コラム|なぜブラジルにはNo.1がないの?

ブラジルの等級を見ると、不思議なことにNo.1は存在しません。

最高等級はNo.2です。

「最高なのに、なぜNo.2なの?」

そう疑問に思う方も多いでしょう。

実はブラジルのコーヒー業界には、こんな逸話が語り継がれています。

No.1は欠点豆がまったく存在しない、完全なコーヒーを意味する。

しかし、コーヒーは自然が育てる農産物であり、欠点豆が一つもない完璧なコーヒーは存在しない。

そのため、No.1は設けず、No.2を最高等級とした。

この話を裏付ける公式資料はありませんが、ブラジルのコーヒー文化を語る有名なエピソードとして広く知られています。

実際の品質規格でも、No.2が輸出できる最高等級として扱われています。

このような背景を知ると、「No.2」という表示も少し特別に感じられるのではないでしょうか。


ジャマイカ

代表グレード

  • No.1
  • No.2
  • No.3

ジャマイカの代表銘柄であるブルーマウンテンでも、サイズや欠点豆など複数の基準によって品質が分類されています。

No.1は粒ぞろいが良く、欠点豆も少ない最上位グレードです。

なぜジャマイカも複合評価なのか?

ブルーマウンテンは世界でも特に品質基準が厳しいコーヒーとして知られています。

見た目だけではなく、サイズや欠点豆など複数の項目を細かく管理することで、高い品質を維持しています。


ここまでのポイント

  • 豆の大きさだけでは品質は判断できない
  • 欠点豆の数だけでも品質は判断できない
  • ブラジルやジャマイカでは両方を組み合わせて評価している
  • 複数の基準を組み合わせることで、より実際の品質に近い等級制度になっている

独自の等級を採用している国

この章のポイント__________

  • 世界には独自の等級制度を採用している国もある
  • 代表的なのがイエメン
  • イエメンでは長いコーヒー栽培の歴史から独自の品質基準が発展した
  • 等級制度にも、その国の歴史や文化が反映されている

これまで紹介したように、多くの国では

  • スクリーンサイズ
  • 標高
  • 欠点豆

などを基準に等級が決められています。

しかし、中にはこうした分類には当てはまらない独自の等級制度を採用している国もあります。

その代表がイエメンです。


イエメン

代表グレード

  • No.9
  • No.10
  • No.11

イエメンでは、他国のようにスクリーンサイズや栽培標高だけで品質を分類するのではなく、独自の等級制度が現在でも使われています。

一般的には、

  • No.9
  • No.10
  • No.11

のような表示が用いられ、数字が若いほど高品質とされています。

なぜイエメンは独自規格なのか?

イエメンは、「コーヒー発祥の地」と呼ばれるエチオピアに隣接し、世界で最も古くコーヒーを商業的に輸出した国の一つとして知られています。

15〜17世紀には、港町モカ(Mocha)から世界中へコーヒーが輸出され、「モカコーヒー」の名前が広く知られるようになりました。

このような長い歴史の中で、イエメンでは独自の品質管理方法が発展し、現在でもその文化が受け継がれています。

また、イエメンのコーヒーは急峻な山岳地帯で小規模農家によって栽培されることが多く、生産方法も他国とは大きく異なります。

そのため、世界共通の基準ではなく、自国に適した独自の等級制度が使われています。

イエメンの等級だけでは品質は判断できない

イエメンの等級も、これまで紹介してきた各国の等級と同じように品質管理のための基準です。

「No.9だから必ず美味しい」という意味ではありません。

実際の風味は、

  • 品種
  • 栽培環境
  • 精製方法
  • 焙煎
  • カッピング評価

など、さまざまな要素によって決まります。

そのため、イエメンのコーヒーを選ぶ際も、等級だけではなく生産地域や風味の特徴も合わせて確認するとよいでしょう。


ここまでのポイント

  • イエメンは独自の等級制度を採用している代表的な国
  • 世界最古のコーヒー輸出国の一つであり、長い歴史を持つ
  • 独自の品質管理方法が現在まで受け継がれている
  • 等級は品質管理の基準であり、美味しさそのものを表すものではない

世界のコーヒー等級を見てきましたが、「どの国が優れているか」ではなく、「その国が何を大切にして品質を管理しているか」が異なることがお分かりいただけたのではないでしょうか。

次章では、多くの人が混同しやすい「等級」と「カッピング評価」の違いについて解説します。

「等級」と「カッピングスコア」はまったく違う

この章のポイント___________

  • 等級(グレード)は、生豆を分類するための品質管理基準
  • カッピングスコアは、実際に飲んだ味を評価する点数
  • スペシャルティコーヒーでは、カッピング評価が最も重視される
  • COE(カップ・オブ・エクセレンス)は、カッピングによって選ばれる品評会

ここまで、世界各国のコーヒー等級について紹介してきました。

しかし、多くの人が勘違いしていることがあります。

それは、

「等級が高い=美味しいコーヒー」

という考え方です。

実際には、スペシャルティコーヒーの世界で最も重視されるのはカッピング(味の評価)です。

つまり、等級とカッピングスコアは、まったく別の評価基準なのです。


等級とカッピングスコアの違い

まずは違いを整理してみましょう。

項目 等級(グレード) カッピングスコア
目的 品質管理・流通 味の評価
評価対象 生豆 抽出したコーヒー
基準 サイズ・標高・欠点豆など 香り・甘み・酸味・後味など
評価者 生産国の品質管理機関 認定カッパー・Qグレーダーなど
世界共通 × 国ごとに異なる ○ 共通の評価基準

例えば、

  • AAは「豆の大きさ」
  • SHBは「栽培標高」
  • Grade1は「欠点豆の少なさ」

を表しています。

一方、カッピングスコアは実際にコーヒーを飲み、

  • 香り
  • 甘み
  • 酸味
  • ボディ
  • バランス
  • 後味
  • クリーンカップ

などを総合的に評価して点数化します。

つまり、

等級は「生豆を見る評価」。

カッピングは「味を見る評価」。

という違いがあります。


AAだから美味しいとは限らない

ここまで読んでいただいた方なら、もうお気づきかもしれません。

例えば、

ケニアAAは「大粒の豆」であることを意味します。

しかし、

AAだから必ず美味しい

という意味ではありません。

反対に、小粒の豆であっても、

  • 甘みが豊か
  • 香りが華やか
  • バランスが優れている

コーヒーは数多く存在します。

実際、スペシャルティコーヒーでは、小粒でも90点近い高いカッピングスコアを獲得するロットも珍しくありません。

つまり、

等級だけではコーヒーの美味しさは判断できないのです。


カップ・オブ・エクセレンス(COE)は等級ではない

その代表例が、カップ・オブ・エクセレンス(Cup of Excellence:COE)です。

COEは世界で最も権威のあるコーヒー品評会の一つで、各生産国で毎年開催されています。

国内外の審査員が厳しいカッピング審査を行い、

  • 香り
  • 甘み
  • 酸味
  • ボディ
  • バランス
  • 後味
  • クリーンカップ

などを総合的に評価します。

そして、高得点を獲得したコーヒーだけがCOE受賞ロットとして認定されます。

その後は世界中のロースターが参加するオークションに出品され、非常に高い価格で取引されることも珍しくありません。

つまり、COEが評価しているのは等級ではなく、「実際に飲んだ味」なのです。


スペシャルティコーヒーで最も重要なのはカッピング

現在のスペシャルティコーヒーでは、

最終的な品質はカッピングによって判断されます。

もちろん、

  • AA
  • SHB
  • Grade1
  • No.2

といった等級は、生豆の品質管理として重要です。

しかし、それだけでコーヒーの美味しさは決まりません。

品種や栽培環境、精製方法、焙煎、そして抽出まで、さまざまな要素が組み合わさって、一杯のコーヒーの味が完成します。

だからこそ、スペシャルティコーヒーでは「実際に飲んで評価すること」が何よりも大切にされています。


ここまでのポイント

  • 等級は、生豆を品質管理するための基準
  • カッピングスコアは、実際に飲んだ味を評価した点数
  • AA・SHB・Grade1は美味しさランキングではない
  • スペシャルティコーヒーでは、カッピング評価が最も重視される
  • COEはカッピングによって選ばれる世界最高峰のコーヒー品評会

コーヒー選びで一番大切なこと

この記事では、世界各国の等級制度について紹介してきました。

等級を知ることで、そのコーヒーがどのような基準で品質管理されているのかを理解できるようになります。

しかし、本当に美味しいコーヒーを選ぶためには、それだけでは十分ではありません。

等級は「品質管理の基準」。

カッピングは「美味しさの評価」。

この2つの違いを理解しておくことが、コーヒーをもっと深く楽しむための第一歩です。

保存版|世界のコーヒー等級一覧

この章のポイント___________

  • 世界の代表的なコーヒー等級を一覧で確認できる
  • 同じ「最高等級」でも評価基準は国によって異なる
  • コーヒー豆を選ぶ際の早見表として活用できる
  • 等級は品質管理の基準であり、美味しさを順位付けしたものではない

ここまで紹介してきた各国の等級制度を一覧表にまとめました。

「AAはどこの国の等級?」

「SHBとGrade1は何が違うの?」

そんなときに、この一覧表を見返せば、各国の評価方法をすぐに確認できます。

世界のコーヒー等級一覧

評価方法 最高等級 主な等級
ケニア スクリーンサイズ AA AB・E・PB・C
タンザニア スクリーンサイズ AA A・AB・PB・C
コロンビア スクリーンサイズ Supremo Excelso・UGQ
ウガンダ スクリーンサイズ AA A・B
ジンバブエ スクリーンサイズ AA A・B・C
パプアニューギニア スクリーンサイズ AA A・X・Y
インド スクリーンサイズ Plantation A Plantation B・PB
グァテマラ 標高 SHB HB・SH
ホンジュラス 標高 SHG HG・CS
コスタリカ 標高 SH GHB・HB
メキシコ 標高 SHG HG・Prime Washed
エチオピア 欠点豆 Grade 1 Grade2〜5
インドネシア 欠点豆 Grade 1 Grade2〜6
ブラジル サイズ+欠点豆 No.2 No.3〜8・S15〜18
ジャマイカ サイズ+欠点豆 No.1 No.2・No.3
イエメン 独自規格 No.9 No.10・No.11

※ 等級制度は各国の品質規格や輸出制度の改定により、名称や基準が変更される場合があります。


一覧表を見ると分かること

一覧表を見ると、評価している内容は国によってまったく異なることが分かります。

例えば、

  • グァテマラのSHBは、高標高で栽培されたハードビーンを意味します。
  • エチオピアのGrade1は、欠点豆が非常に少ないことを示します。
  • ブラジルのNo.2は、欠点豆が少ない最高等級です。
  • イエメンのNo.9は、独自の品質基準による最高等級です。

つまり、「最高等級」という名前だけを見ても比較することはできません。

何を基準に評価しているのかを理解することが、コーヒー等級を正しく読み解くポイントです。


コーヒーを選ぶときは等級だけで判断しない

等級は、生豆を品質管理するための大切な指標です。

しかし、実際の味は、

  • 品種
  • 栽培環境
  • 精製方法
  • 焙煎
  • カッピング評価

など、さまざまな要素が組み合わさって決まります。

例えば、

  • AAだから必ず美味しい
  • SHBだから最高品質
  • Grade1だから一番美味しい

というわけではありません。

この記事で紹介してきたように、等級は「品質管理の基準」であり、美味しさそのものを表すものではないからです。

コーヒー豆を選ぶ際は、等級だけでなく、生産地域や品種、精製方法、カッピングコメントなども合わせて確認すると、自分好みの一杯に出会いやすくなるでしょう。


ここまでのポイント

  • 世界のコーヒー等級は国ごとに評価基準が異なる
  • 同じ「最高等級」でも評価している内容は異なる
  • ケニアにはAAより大粒の「E」という等級も存在する
  • 等級は品質管理の基準であり、美味しさを順位付けしたものではない
  • コーヒー選びでは、カッピング評価や品種なども合わせて確認することが大切

等級制度は各国の品質規格や輸出制度の改定、輸出業者の運用により、名称や基準が異なる場合があります。

よくある質問(FAQ)

Q1. AAが一番美味しいコーヒーという意味ですか?

いいえ、AAは「一番美味しい」という意味ではありません。

例えばケニアやタンザニアでは、AAはスクリーンサイズ(豆の大きさ)を表す等級です。

豆が大きいことを示していますが、美味しさを保証するものではありません。

実際の味は、品種や栽培環境、精製方法、焙煎、カッピング評価などによって決まります。


Q2. SHBとはどういう意味ですか?

SHBはStrictly Hard Bean(ストリクトリー・ハード・ビーン)の略です。

主にグァテマラで使われる等級で、高い標高で栽培された密度の高いコーヒー豆を表します。

標高が高いほど気温が低く、コーヒーチェリーがゆっくり成熟するため、高品質な豆になりやすいと考えられています。


Q3. ブラジルのNo.2とは何ですか?

No.2は、ブラジルの欠点豆の数を基準にした最高等級です。

ブラジルではNo.1は存在せず、No.2が最も品質の高い等級として扱われています。

また、ブラジルではNo.2だけでなく、S17/18などのスクリーンサイズも併せて表示されることがあります。


Q4. Supremoとは何ですか?

Supremo(スプレモ)は、コロンビアで使われているスクリーンサイズの等級です。

大粒のコーヒー豆を表しますが、美味しさを保証するものではありません。

なお、Supremoよりやや小粒のExcelsoも、高品質なコーヒーとして世界中で流通しています。


Q5. PB(ピーベリー)とは何ですか?

PB(Peaberry)は、通常1つのコーヒーチェリーに2粒入る種子が、1粒だけ丸く育った希少な豆のことです。

タンザニアやケニアなどで等級として表示されることがあります。

「希少=必ず美味しい」というわけではありませんが、独特の風味を楽しめることから人気があります。


Q6. 等級だけ見れば美味しいコーヒーを選べますか?

いいえ、等級だけでは美味しさは判断できません。

等級は、生豆を品質管理するための基準です。

本当に美味しいコーヒーを選ぶには、

  • 生産国
  • 品種
  • 精製方法
  • 焙煎度
  • カッピングコメント

なども合わせて確認することが大切です。

特にスペシャルティコーヒーでは、カッピング評価が最も重要な指標とされています。


Q7. スペシャルティコーヒーは必ずGrade1ですか?

必ずしもそうではありません。

Grade1は、エチオピアやインドネシアなどで使われる「欠点豆の少なさ」を示す等級です。

一方、スペシャルティコーヒーはカッピング評価で80点以上を獲得したコーヒーが基準となります。

そのため、等級とスペシャルティコーヒーの基準は別のものです。


Q8. 等級とカッピングスコアはどちらが重要ですか?

どちらも重要ですが、役割が異なります。

等級は、生豆を品質管理するための基準です。

一方、カッピングスコアは実際に飲んだ味を評価したものです。

スペシャルティコーヒーでは、最終的な品質はカッピング評価によって判断されます。

つまり、

等級は品質管理の基準。

カッピングスコアは美味しさの評価。

この違いを理解しておくことが大切です。

まとめ

この記事では、世界のコーヒー等級について、その仕組みや評価方法の違いを詳しく解説しました。

最後に、大切なポイントを振り返ってみましょう。

  • コーヒーの等級(グレード)は、生豆を品質管理するための基準
  • 世界共通の規格ではなく、国ごとに評価方法が異なる
  • 主な評価方法は「スクリーンサイズ」「標高」「欠点豆」「複合評価」「独自規格」の5種類
  • AA・SHB・Grade1・No.2は、それぞれ評価している内容が異なるため比較はできない
  • スペシャルティコーヒーでは、最終的な美味しさはカッピング評価によって判断される

コーヒー豆を選ぶとき、「AAだから美味しい」「SHBだから最高品質」と考えてしまうことがあります。

しかし、この記事で紹介したように、それぞれの等級は国ごとに異なる品質管理の基準です。

例えば、

  • ケニアのAAは「豆の大きさ」
  • グァテマラのSHBは「栽培標高」
  • エチオピアのGrade1は「欠点豆の少なさ」
  • ブラジルのNo.2は「欠点豆の少なさ」を表しています。

つまり、同じ「高グレード」でも評価している内容はまったく異なります。

そのため、AAとSHB、Grade1を直接比較することはできません。


では、本当に美味しいコーヒーとは何でしょうか。

その答えは、実際に飲んで評価することです。

現在のスペシャルティコーヒーでは、

  • 香り
  • 甘み
  • 酸味
  • ボディ
  • バランス
  • 後味

などを総合的に評価するカッピングが最も重要視されています。

等級は品質管理のスタートラインであり、本当の美味しさはカッピングによって判断されます。


コーヒー選びをもっと楽しもう

これからコーヒー豆を選ぶときは、ぜひ袋に書かれた等級にも注目してみてください。

「AAだから大粒なんだ。」

「SHBは高地で育ったコーヒーなんだ。」

そんな背景を知るだけでも、一杯のコーヒーがこれまで以上に面白く感じられるはずです。

そして、等級だけで判断するのではなく、

  • 生産国
  • 品種
  • 精製方法
  • 焙煎度
  • カッピングコメント

なども合わせて見ることで、自分好みのコーヒーを見つけやすくなります。

コーヒーは、知れば知るほど奥深い世界です。

ぜひ、さまざまな産地や等級のコーヒーを飲み比べながら、自分だけのお気に入りの一杯を見つけてみてください。


最後に

等級は「品質管理の基準」。

カッピングは「美味しさの評価」。

この2つの違いを知ることが、コーヒーをもっと深く楽しむための第一歩です。

-コーヒー

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