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コーヒーに関する質問などにコーヒーモンスターがひっそりとお答えしています。

コーヒー

カップオブエクセレンス(COE)のコーヒーとは?

コーヒー屋さんに売っている一際お高いあの豆・・・

よく金色の袋に入っているあのお高い豆・・・

値段が高いから美味しい・・とはいかないのがコーヒーの

難しいところではありますが、きちんと評価された豆は

自ずと高くなるものです。

今回はカップオブエクセレンス=COEについて探っていきます。

カップオブエクセレンス=COEとは

COE(Cup of Excellence)・・・

いつもお客さん様に簡単に説明する時は

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コーヒーの品評会みたいなもので高評価を得た豆です。

なんて説明していました。

これはアメリカの非営利団体であるACEが運営しています。

品評会は国ごとに開催され2021年までに私が数えた感じでは14の国々で開催されています。

農園主さんが精魂込めて育てたコーヒーを審査員の方々がカッピングして

点数をつけていきます。

開催時は80点以上で入賞できたそうですが、最近では87点以上

トップ30の豆が入賞・・・と厳しくなってきております。

晴れて入賞できた豆だけがカップオブエクセレンスの称号を得る事ができます。

その後運営団体であるACEによってオークションに出品されます。

オークションはインターネット上で行われ、世界中のコーヒーバイヤーによって落札されます。

一番高い点数をつけた豆が一番高く競り落とされるわけではなく

欲しい人がいっぱいいれば値段も吊り上がっていくところがオークションの

面白いところかなと思います。

品質の保証

カップオブエクセレンスに入賞するには厳しい審査があります。

それをクリアした豆は生産者と消費者に品質の保証をする証明書になります。

消費者は優れたコーヒーを楽しむことができ、生産者は品質の向上に向けた努力が報われます。

カップオブエクセレンスという制度が始まる前の1990年代までは

コーヒーの品質評価は元々、欠点(=悪いコーヒー豆)がどれほどあるかという減点方式での評価でした。

コーヒー豆の中に欠点豆と呼ばれる悪いコーヒー豆が含まれていると、コーヒーの味に影響してしまうので

100点を基準に何か欠点対象がある度に減点されて点数がつけられます。

ただ、これでは味の優れたコーヒー豆を探し出すことはできません。

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味はめちゃくちゃうまいけど見た目が悪いし粒が小さい・・なんて豆はこの方法だと評価が低いです。

その後1990年代後半アメリカにてジョージ・ハウエルさんがこのままではダメだ!

と言ったか言ってないかは定かではありませんが・・・

当時アメリカのスペシャルティコーヒー協会が採用していた品質評価方式を改良した

加点方式により評価する「トライアル品評会」が1999年11月に開催されました。

これが初のカップオブエクセレンスだと言われ、ブラジルで開催される事になります。

生産者への公正な報酬

コーヒー豆はインターネットオークションによる販売が行われます。

高品質なコーヒーは市場で高い価格で取引されるため、生産者は公正な報酬を受け取ることができます。

従来は生産国のコーヒー管理団体や輸出入業者などの中間業者が間に入り

コーヒー農園の取り分は少なくなる傾向でした。

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さらに社会的弱者である実際に作業に従事する生産者さんたちの取り分はもっと少ないと予想できます。

しかしカップオブエクセレンスのインターネットオークションのシステムは

農園主と購入者を直接繋げるシステムなので手数料や輸送料等など経費を差っ引いても

従来に比べ中間搾取が少なく落札金額はそのほとんどが直接生産者の手にわたります。

多くはさらなる品質の安定・向上や、労働環境整備のために使われます

これにより、生産者は品質向上への器具や人材への投資や持続可能な

農業を実現、労働環境の整備などを促進することができます。

産地のプロモーション

コーヒー産地のプロモーションにも役立ちます。

優れた品質を持つコーヒーが評価され、国際的な注目を浴びることで

産地自体の評判やコーヒー農園の知名度が向上します。

これにより、産地のコーヒー産業全体が発展し、地域の経済的な成長と持続可能な開発が促進されます。

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一度注目を浴びれば次回作も飲んでみたいですもんね!

コミュニティの形成と学習の機会

参加する生産者や審査員の方々は、カップオブエクセレンスを通して国際的な

ネットワークを形成する機会を得ることができます。

情報の共有は、生産者のスキルや知識の向上につながります。

また、コーヒーコミュニティ全体が結束し、持続可能なコーヒー産業のための

取り組みを共有することができます。

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美味しいコーヒーを求める「消費者」と「生産者」の双方にとって重要な役割を果たしています。

 

ACE

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ここまでまったく触れてこなかった主催団体である「ACE」について簡単に説明します

ACE(Alliance for Coffee Excellence Inc.)は2021年に設立された

”Cup of Excellence”と呼ばれるオークションを主催するNPO団体です。

ACEは、コーヒー業界においてさまざまな活動を行っています。

Cup of Excellence(COE)プログラムの主催

ACEは、世界中のコーヒー関係者が参加するカップオブエクセレンスを主催しています。

品質の高いコーヒーを生産する農家を発掘し、そのコーヒーを厳格な審査基準で評価します。

優れた品質のコーヒーはオークションや直接の取引で販売され、生産者は公正な報酬を得ることができます。

COEプログラムは、生産者の品質向上への励みと市場価値の向上を促進する重要な取り組みとなっています。

コーヒー教育とトレーニングの提供

ACEはコーヒー関係者向けの教育とトレーニングプログラムも提供しています。

これには、品質評価やカッピングの技術、持続可能な農業の推進などが含まれます。

コーヒー業界関係者がコーヒーの品質とサステナビリティに関する知識を向上させる

ための貴重な機会となっています。

生産者のサポートと持続可能なコーヒー農業の推進

ACEは、生産者との緊密な連携を通じて、持続可能なコーヒー農業の推進を支援しています。

生産者に対しては、栽培技術の改善や最新技術の共有、環境への配慮

社会的・経済的に優位に立てるよう影響の最大化などの支援を提供しています。

また、ACEは直接取引や長期的なパートナーシップの構築を通じて

生産者がより公平な価格でコーヒーを販売し、持続可能な農業を確立できるよう支援しています。

その結果、より良い品質のコーヒーが市場に提供され、生産者の経済的な福祉と持続可能な農業の普及が実現されています。

 

ハウエルさん

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次にカップオブエクセレンスのきっかけを作ったジョージハウエルさんについて

ACEの創業者の一人でもあるジョージ・ハウエルさん

当時西海岸で飲んだコーヒーに魅了され、ボストンに「コーヒーコネクション」という店舗をオープン

その後東海岸で急速に成功を収めました。

東海岸と西海岸は、アメリカにおけるコーヒーシーンにおいて個性的な文化を持っています。

東海岸の都市部では、伝統的なコーヒーショップやカフェが根付いており、クラシックでエレガントな雰囲気やスタイルが特徴です。

一方、西海岸は、カリフォルニアを中心に革新的で進歩的なコーヒーショップやロースタリーが多く存在し、クリエイティブで先進的なコーヒー文化が根付いています。

ハウエルさんは、コーヒーの産地や生産者との繋がりを重視し、品質の向上や持続可能なコーヒー産業の発展に貢献することに情熱を注いでいます。

彼の取り組みは、地域や文化の枠を超えて、コーヒー業界全体に影響を与えています。

コーヒーの品質向上に取り組む一方で、生産者との関係性の重要性を再認識しました。彼はコーヒー農園の努力と才能を称える場を提供するため、Cup of Excellence(COE)というコンテストを立ち上げました。

Cup of Excellenceは、コーヒーファームから優れた品質のコーヒーを選出し、国際的な市場での認知と競争力を高めることを目的としたプログラムです。

ハウエルさんは、生産者が栄誉を受けることで持続可能なコーヒー産業を育むことを願っていました。

一攫千金を夢見て

COEは基本的に生産国ごとに毎年行われます。

生産者がコーヒー豆を持ち込み、最低基準をクリアしているかどうかチェックされた後、
国内審査員での審査を経て、世界中から集まる国際審査員による審査によってスコアと順位が決まります。

COEにエントリーされるコーヒーの数は、国によっても違いますが、およそ300〜400ほどの数にのぼります。

狭き門をクリアして晴れてCOEに入賞した豆はオークションにかけられます。

オークションの特性もあり値段が釣り上がれば一攫千金も夢ではありません。

通常の豆の何十倍もの価格がつく事もあります。

さらにCOE入賞農園として拍がつきますので、通常の豆も高く売れます。

農園にブランド力がつくイメージです。

高く売れれば収入も増え、農園環境の整備にもお金が使えます。

そうすればもっと美味しいコーヒー豆が作れるわけです!

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この前、知り合いのコーヒー屋さんのオーナーに「奥さん、優しくて羨ましいです」と言ったら「だったらお金を渡すのが一番」と言われ、納得したのでした・・・

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